現役アーティストの目線でこれからの音楽のあり方を考察していきます。社会の様々な課題に対するアイデアを、音楽が持つ可能性と強引にこじつけてコミットします。

パーソナルブランドで勝ち組になった男たち②

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 パーソナルブランドを最大限に生かして成功した音楽実業家の話。

今回は第二回目です。

《パーソナルブランドで勝ち組になった男たち》

①はじめに(ライセンス契約とエンドースメント契約)

②HIPHOPビジネスマン(ジェイ・Z、ドクター・ドレー、P・ディディ)

③ライセンスの鬼(マイケル・ジャクソン)

④時代は巡るのか(Yoshiki、吉田拓郎、スティーブ・ウォズニアック、本田圭佑)

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 毎年夏に発表されるアメリカの経済誌フォーブスの「セレブリティ100」。

世界のエンターテイナーの収入と、ネット上の影響力をランキングで見ることができます。

2014年にランクインしたミュージシャン24組の収入順のランキングを引用させていただきました。

( )内の数字は総合ランキング 、つまり影響力ランキングです。

 

1(3) ドクター・ドレー 6億2000万ドル(約632億円)

2(1) ビヨンセ 1億1500万ドル(約117億円)

3(26) イーグルス 1億ドル(約102億円)

4(13) ボン・ジョヴィ 8200万ドル(約84億円)

5(25) ブルース・スプリングスティーン 8100万ドル(約83億円)

6(33) ジャスティン・ビーバー 8000万ドル(約82億円)

7(28) ワン・ダイレクション 7500万ドル(約77億円)

8(29) ポール・マッカートニー 7100万ドル(約72億円)

9(21) カルヴィン・ハリス 6600万ドル(約67億円)

10(51)トビー・キース 6500万ドル(約66億円)

11(18)テイラー・スウィフト 6400万ドル(約65億円)

12(6) Jay-Z 6000万ドル(約61億円)

13(13)ブルーノ・マーズ 6000万ドル(約61億円)

14(31)ショーン・コムズ6000万ドル(約61億円)

15(26)ジャスティン・ティンバーレイク 5700万ドル(約58億円)

16(8) リアーナ 4800万ドル(約49億円)

17(70)ケニー・チェズニー 4400万ドル(約45億円)

18(9) ケイティ・ペリー 4000万ドル(約41億円)

19(33)ジェニファー・ロペス 3700万ドル(約38億円)

20(17)マイリー・サイラス 3600万ドル(約37億円)

21(19)レディー・ガガ 3300万ドル(約34億円)

22(20)カニエ・ウエスト 3000万ドル(約31億円)

23(47)アヴィーチー 2800万ドル(29億円)

24(38)ファレル・ウィリアムス 2200万ドル(約22億円)

年収117億円の歌姫と630億円を得たラッパー?今旬のミュージシャンはいくら稼ぐ?|中野 充浩

http://www.tapthepop.net/extra/14227

 こうして見ると、EDMのDJやHIPHOP勢の強さが光りますね。

今回は3人の有名なHIPHOPビジネスマンと、そのビジネスに欠かせなかったキーマンを併せてご紹介します。

 

▼ジェイ・Z 

 ジェイ・Zはニューヨーク出身で、ファッションブランドや自身のレーベルを立ち上げるなど、名実ともにニューヨークを代表するラッパーになりましたが、その影にはデイモン・ダッシュという人物がいました。

 初期はペイデイ・レコード、プライオリティ・レコードの順に流通を委託していましたが、元々麻薬の売人(ハスラー)として名を馳せていたジェイ・Zは、自分の持つ流通網をそのままCDの流通に使えば十分売れると考え、95年に「ロッカフェラ・レコード」を設立。

その後、大手レコード会社「デフ・ジャム」傘下になり、ついに2005年、デフ・ジャムの社長に就任、のちに退任しますが、これはキャリアアップのためでした。

大手コンサート・プロモーターのライヴネイション社と提携して「ロック・ネイション」を設立。

自らの興行をはじめ、あらゆるアーティストのチケットを管理するアメリカ最王手の会社になったのです。

アーティストにとっては、興行時のルートや、すでにいる豪華な顔ぶれのアーティストを持つロック・ネイションと契約することは、メリットでありステータスになります。

 さらにロック・ネイション」は大手タレント事務所クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシーと協業で、新たに「ロック・ネイション・スポーツ」というプロアスリートのマネジメント事務所を立ち上げ、そのクライアント第一号として、ニューヨーク・ヤンキースの二塁手、ロビンソン・カノ選手と契約しました。

 現在行われている日米野球に、新チームのマリナーズの選手として出場していますね。

 野球に詳しい方はご存知だと思いますが、ロビンソン・カノの元々の代理人は松坂や松井も手がけ、マネーゲームに定評のある敏腕スコット・ボラスでした。

そのボラスとの契約を解除してジェイ・Zと契約をした背景には、ヤンキースとの契約満了後を見据えた思惑があったのでしょう。

 カノはヤンキースのスター選手の一人ですから、既に選手としての価値は確立されています。

ジェイ・Zの会社と契約することでエンターテイメント界と結びつく新たなブランド価値が生まれ、副収入ルートも拡大できます。

つまり、「エンドースメント契約においても球団へのメリットが増しました!」という状態で契約交渉に入れるので、年棒の交渉にも有利な状況になったのです。

 そしてカノは、2013年12月、シアトル・マリナーズと総額2億4000万ドルの10年契約を結びました。32歳でこの条件は異例です。

 こうして、ジェイ・Zは超有名な野球選手のエージェントとしても名を馳せることになりました。

 

 さらに、本業の音楽ビジネスでもまだまだ攻めます。

人気DJデッドマウスも手がける英国のアーティストマネジメント会社「Three Six Zero Group」所属の人気DJカルヴィン・ハリス。

 カルヴィン・ハリス、「フォーブス」DJ長者番付でトップ ジェイ・Zの年収を超える

http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/21/calvin-harris-out-earns-jay-z-toby-keith-as-worlds-highest-paid-dj_n_5697240.html 

この影にもジェイ・Zがいたんですね。

「Three Six Zero Group」がロック・ネイションと提携し、カルヴィン・ハリスをリアーナとコラボレーションさせ、世界的なプロモーションを成功させたのです。

 ビヨンセとの結婚もあり、世界トップの音楽セレブリティなのは間違いないですね。

 ちなみに、iPhone6にプリダウンロードされているU2の音源が話題になりましたが、その前にサムスン電子がGALAXYシリーズのユーザー100万人を対象に、ジェイ・Zのニューアルバムを先着でプレゼントするキャンペーンを実施しました。

これで発売した瞬間には既に100万枚売れてる、というのをやったもんで衝撃でしたね。

 

 

▼パフ・ダディ(ショーンコムズ) 

 この人は楽器も作曲もできないんですが、90年代のヒップホップは彼なしには語れません。

まず彼は20代で、アップタウン・レコードでA&Rの見習いから副社長まで上り詰め、ジョディシーやメアリー・J・ブライジといったスターアーティストを売り出すなどの成功を収めます。

 その後、アリスタレコード内に自分のレーベル「バッドボーイ・レコード」を設立し、所属アーティスト以外にも、アッシャー、マライア・キャリー、TLCなどの大物アーティストのアルバムをヒットさせます。

 超やり手の音楽プロデューサーである上に、アパレルブランド「ショーン・ジョン」を手掛けたり、ジェニファー・ロペスと付き合っていたり、まぁとにかくセレブリティです。

 その功績の証として、96年に米国作曲家作詞家出版者協会のソングライター・オブ・ザ・イヤー、97年のグラミー賞を獲得しています。

 が、しかし・・・その実態は、佐村河内氏もびっくりのゴーストライター使いなのです。

 初期の大ヒットのほとんどがゴーストライターによるものだったというから、もう正真正銘の真っ黒です。

グラミー賞を獲得した曲「I'll Be Missing You/Diddy & Faith Evans Ft.112」でも、ラッパーSauce Moneyをゴーストライターとして起用したことを認めています

 しかし、ビジネスマンとしての「結果」を出してきた手腕は確かで、現在でも様々な事業を成功させ続け、前述のフォーブスの高所得者ランキング上位には毎年必ず入ってきています。

なんかすごくアメリカっぽくて、憎めない人です。

 

 

▼ドクター・ドレー(アンドレ・ヤング)

  膨大な作品を有するアーティストやプロデューサーであるだけでなく、今年アップルが30億ドルで買収したヘッドフォンメーカー「ビーツ・エレクトロニクス」の創始者でもあるのが、ドクター・ドレ―です。

 2000年代までのドクター・ドレ―は、NYなどを中心としたアメリカ東海岸ヒップホップに遅れを取っていた西海岸に、ギャングスタラップやGファンクというムーブメントを生み出したラッパー、プロデューサーとして知られていました。

2パック、スヌープ・ドッグ、エミネムのスターラッパーを発掘し、西海岸の超攻撃的な"ギャングスタラップ"文化を世に知らしめました

 パフ・ダディと「バッドボーイ・レコード」が東海岸を代表する存在になっていた当時、西海岸で犯罪もいとわない暴力的な素行と音楽性で、史上最悪と称されていた「デス・ロウ・レコード」を率いていたのがドクター・ドレーです。(正確には相棒のシュグ・ナイトが極悪人なんですが。)

東のバッドボーイvs西のデス・ロウの図式で抗争が起こり、東西の看板ラッパーであるザ・ノトーリアス・BIGと2パックが死亡した後、ドクター・ドレ―は独立します。

96年、自身のレーベル「アフターマス」を設立し、2000年には、グラミー賞の「プロデューサー・オブ・ザ・イヤー」を獲得。

 しかし、その後の15年間で1枚もアルバムを発表していないにもかかわらず、前述のフォーブスのランキングでは毎年上位にランクインしており、2014年は1位に輝いています。

言わずもがな、冒頭の「ビーツ・エレクトロニクス」の買収があったからですね。

 さて、彼の成功の影にはいつも、ある大物がいました。

1990年に設立されたユニバーサル・ミュージックのレコードレーベル、「インタースコープ・ゲフィン・A&Mレコード」の創始者、代表取締役である。ジミー・アイオヴィンです。

ドクター・ドレ―の「デス・ロウ・レコード」「アフターマス」そして「ビーツ・エレクトロニクス」の設立には、すべて彼が携わっています。

初期はジョン・レノンのアルバム「イマジン」にエンジニアとして参加していたり、最近はアメリカンアイドルの指導もするなど、いまや音楽業界の重鎮です。

 アイオヴィンのレーベル、インタースコープには、エミネム、マドンナ、レディー・ガガ、U2など、名だたるスターが所属しています。

お気づきだと思いますが、iPhone6にU2のアルバムがプリインストールされていたのは、まさにこの関係があったからなんですね。

 

 ビーツ社は、2011年に台湾のHTC社にビーツ社の51パーセントを3億ドルで売却し、ドレーは1億ドルの収入を得たとされています。

後に買い戻し、ビーツの音響はクライスラーの車や、HPのノートパソコンにも搭載されたことで、さらにブランド価値を高めます。

インタースコープ所属のガガや、インタースコープ傘下の前述のバッドボーイ・レコーズのパフ・ダディ、人気DJのデヴィッド・ゲッタなどとのコラボで若者にも支持されました。

 2012年にはオンライン音楽配信サービス「MOG」を1000万から1600万ドルで買収し、「beats music」として再リリース。

 そして2014年「ビーツ・エレクトロニクス」の買収と同時に、ドレーとアイオヴィンは、アップルの幹部に就任しました。

アップルは、ダウンロード販売のiTunes Storeから、ストリーミングサービスiTunes Radio、そしてBeats Musicを手に入れたことで有料定額制ストリーミングサービスまで網羅しました。

 

▼まとめ

 いかがでしたか?

 今回はエンドースメント契約をはじめ、パーソナルブランドを直接的に活用した例でしたが、次回はマイケル・ジャクソンのライセンスビジネスの鬼っぷりをご紹介します。

 

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