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「経験が必要な仕事ほど経験させることが難しい」という矛盾

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久しぶりに投稿してみます。

最近さまざまな場面で同じ悩みに遭遇して感じていることがあります。それは、「経験が必要な仕事に直面すると、よほど余裕かバックアップができない限り、経験の浅い人材にはその仕事をまかせることができない」ということと、「経験が必要な仕事をさせる人材が育つためには、経験する場を与えることが必要」という矛盾です。

仕事もスポーツもそうですが、結果を求められる限り、どうしても安全策を取らざるを得ません。その結果、もっと経験を積ませて独り立ちしてもらいたいと感じたとしても、目の前のタスクを安全に完了させるためには、経験のあるメンバーで対応することになります。

コンサルティングの仕事で言えば、骨子づくりであり、仮説の策定であったりしますが、これは上の人に教えられてやっていればできるようになるものでなく、自らがさまざまな経験を経てようやく形ができてくるものだと思います。しかし、現実には時間の制約も含め、論旨・結論を伝えてしまい資料の作成に移ってしまうことが多く、頭では理解したとしても自らが同じようにできるかどうかは別問題です。

もっと経験を積ますためには、自らがリスクを負っていろいろなことを自力でやらせてみる、という忍耐や努力が必要なのだろう、とこちらも頭ではわかっていても、なかなかそれを実行できない。そんな状況が続きます。

若手を育てるための経験を積ませることができない矛盾もそうですが、その一方で若手を育てるための方法をうまく実践できないという管理者・経営者側の矛盾。こんなところでも余力のある大企業と中小企業の差が広がっていく原因の一つであるかもしれないと感じる最近です。

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