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大企業のウェブはなぜつまらないのか 企業実務からの新しい視点

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知り合いの本荘修二さん(ジェネラル・アトランティックLLC日本代表が今までの肩書きでしたが、これからどのように紹介してよいのか要確認ですね)が先週末新しい本を出版されました。

分量もさほど多くなく、ネットをとりまくビジネスで起こっていることに関する情報を、きちんとした形で整理してアップデートするという意味でも大変役に立ちました。

書籍の中では、大企業がネットを活用しようとした際に、市場や情報の動きに対して適切な行動を取れない理由とともに、その解決に向けたアプローチに関しても若干触れています。市場(ネットを取り巻く環境)と企業の姿勢を対比させている点で、これまでの同様の書籍での単純な事例紹介の繰り返しではあまり触れられていなかった、別の観点からの考え方を提示していると思います。

タイトルから逆説的に期待するであろう「大企業でウェブをいかに楽しいものにしていくか」という命題に対して、そのものずばりの回答や解答ではありませんが、状況として起きていることに対して視点を変えて検討を行っていくための一つの方向を示唆していると思います。

WEB2.0という言葉に踊らされて、表面上の技術論、斬新に見えるけれども本質的には何も変わっていない新種のマーケティング理論、断片的に伝えられる成功事例の羅列、といった従来の本と比較すると、情報伝達の基本ルールのパラダイムシフトに対して、企業実務としてこれからどのように情報を用いて顧客と対話をしていくことができるのかということに関して、考えるきっかけを与えてくれると思います。

特に企業で経営戦略やマーケティング戦略(プロモーションではありません)をご担当されている方は一読されることをお勧めします。

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