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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

忘年会で洗い流す

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先日、投資先の「望年会」に参加しました。ままならなかった今年を忘れる「忘年会」ではなく、明るい未来である来年を見据えた「望年会」です。ただ、実際には今年も含めて過去の話がほとんどでした。以前は、「来年の話をすると鬼が笑う」と言われ、来年の話は来年になってからの「新年会」でやっていました。「忘年会」は、良くも悪くも振り返りを行い、リセットを行うためのものだったように思います。従って、忘年会はかくし芸など祭り系も多かったように思います。祭りのあとは、いろんなものが洗い流され、また一からスタートという気持ちになりました。

私は、2005年4月から1日も欠かさずブログ(現場で働くベンチャーキャピタリスト)を書き続けています。15分以内に書くという制約の中で、1日を記録して残すことで、その日の事を洗い流しています。ブログを書いて7時間ほど寝ると、また新しい白紙の1日が始まります。ひとり「忘日会」を行うことで、身軽な1日が送れます。

過去を引きずって今に集中できないのは、一番虚しいことだと思います。人生の真実は今にしかなく、悪かった過去を思い出して逡巡したり、良かった過去を過大評価して傲慢になったりしていては、今を真剣に生きていることにはなりません。一旦リセットして執着をなくし、平常心を保つことが蓄えた本来の力を発揮するためには重要なことだと思います。

人間は、時間の流れの中で生きています。時間の流れを止めることはできませんが、自分自身で区切りを入れることは出来ます。自然の流れに従って、1日や1年の区切りを入れ、新たな気持ちで「望む」ことが重要かな、と思うこの頃です。

行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。(鴨長明)

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