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ネットメディアはコマースで稼げるか?

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絶大なる販促効果を持つメディアにどう対抗するかは、行動ターゲティング広告に関して簡潔に書いてある記事ですが、今後のメディアの可能性に関して、いい視点を提供していると思います。

「大手ポータルサイト上でエンドユーザーが行動する広告にひも付くデモグラフィックデータと、ショッピングサイトが持つ購買データを結合すれば、エンドユーザーの川上データから川下データを統合することが可能」
いわゆるAIDMAとかAISASの最初から最後までを担うことになります。従来のマスメディアは、アテンションに注力してきましたが、ネットでは統合可能であることが大きな武器になると思います。

「「ここにどれくらいのインプレッションをこのように出稿すれば、自社のショッピングプロパティでどれくらいの確率で販売できるはずである」という仮説は、広告主でもなく広告代理店でもなくメディア自体が持つことになるのです。」
従来は、広告主がメディアに出稿し、その効果で広告主(または、その販売代理店)が販売していたので、メディアを仲介する広告代理店の役割があったのですが、メディア自身が広告効果を語れるようになれば、広告代理店の存在意義は失われます。さらに進んでいえば、メディア自身が販売代理店になったり、メディアの収益源が広告以外(販売手数料など)に広がる可能性があります。

従来から、雑誌など紙メディアでは、ハガキを付けたりして通販に挑戦しましたが、物は売れずに広告収入は減る、という失敗の連続でした。通販生活が唯一の例外だと言っていいと思います。
TVショッピングもTV局自身が行うと、なかなかうまくいかないので、ジャパネットたかた他に放送枠を売るというポジションに止まっています。せいぜいショッピング専門チャンネルがあるに過ぎません。

ネットメディアの広告依存体質はリスクとしてよく指摘されるところであり、コマースによる収益がどのくらい拡大するかは、今後の注目だと思います。雑誌における通販生活に、コマース事業拡大のヒントがあると思います。

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