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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

7月31日 仕事は一人ではできない~リーダーに一番大切なこと(#434)

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率先垂範はもちろんだが、部下にそれぞれの責任でそれぞれの立場で仕事をしてもらわなければならない。そして、最終的な責任は自分にあるとはっきり認識する――リーダーシップの要諦(エッセンス)はこのようなことだと、松下幸之助さんは言っているようです。

率先垂範と自己責任は自分だけの心の問題なので、身につけることは容易とはいいませんが、可能なことでしょう。

難しいとしたら、「部下にそれぞれの責任でそれぞれの立場で仕事をしてもらう」という部分ではないでしょうか?

これは、部下の心も絡んでくるので難しい。

昔は飴と鞭でも良かったのかもしれませんし、今もそうだという人もいます。いや、褒めて、認めて、ねぎらうことだという人もいます。徹底した対話だという人もいます。

おそらく正解はないのでしょう。リーダーの数だけチームがあるからです。リーダーの個性の数だけ方法があるのです。

役割分担を明確にすればいいという人もいます。これは、すべての役割を明文化できればいいのですが、日々チームが進化するというのであれば、日に日に新しい役割が追加されていくことになります。

つまり、常に必ず、明文化できない役割ができていくのが当たり前だということです。

そのときに、明文化された役割にメンバーが固執する(要するにそれは自分の仕事ではないとみながいう)チームは、衰退していきます。

逆に、明文化されていない役割があったときに、手の空いている人が率先して仕事をするようなチームは、発展していきます。

後者のようなチームを自律型組織といいます。これを作るのが難しい。しかし、方法はあります。

それは、一人一人が輝いているチームを作ること。言い換えると、そのチームに所属することが、何か特別なことであるかのようにメンバーが思っていること。これに尽きます。

私のビジネスパートナーである吉見範一氏は実際にそのようなチームを作りました。私は、その話を聞いてあまりにも感激したので、『奇跡の営業所』という本にしました。

営業初心者ばかりを集めて、半年後には全国でダントツのトップ営業所にするという話です。実話にもとづくフィクションですが、それは設定のことで、やったことや起こったことはほぼ事実のままです。興味のある方は、ぜひお読みください。

実を言うと、自称「リーダー失格」の私も、自分のグループを持ったときに、最初の半年ぐらいはそのようなチームを作ることに成功しました。みな、私のグループに所属することが何か特別なことのように思い、一生懸命働いてくれました。

ところが、最終的には退職者が続出し、2年ほどでグループは崩壊しました。

輝くチームを作ることができたとしても、維持するのは本当に難しい。

私はなぜ維持できなかったのでしょうか。

それは、チームビルディングの成功で謙虚さをなくしてしまい、自分の実力以上にチームを拡大していったからだと思います。

自分の実力を超えれば、いろいろなほころびが出てきます。それまでチームが輝いていただけに、そのほころびは普通のチーム以上にメンバーの不信感を呼び起こしてしまいます。

リーダーにおいて一番大切なことは、リーダーである自分自身の実力を謙虚に自覚することでしょう。それが、最終的に自分が責任を取るということと同義なのだと思います。

今日の一言)リーダーにおいて一番大切なことは、リーダーである自分自身の実力を謙虚に自覚すること。

 

本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

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