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スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

テレワーク・デイが浸透しないどころか、知られていない本当の理由

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昨日、2018年7月24日に「テレワーク・デイ」が実施されました。正確には、実施した人たちがいました、というべきですね。実施した人たち、実施した企業があった、ということですね。

テレワーク・デイ実施の背景は、ロンドン・オリンピックの成功事例であるようです。

2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会では、交通混雑によりロンドン市内での通勤に支障が生じるとの予測から、市交通局がテレワーク等の活用を呼び掛け、これにロンドン商工会議所をはじめとする企業や市民が賛同する形で、たくさんの企業がテレワークを導入しました。結果として会期中の交通混雑を回避できたことに加え、テレワークを導入した企業では、事業継続体制の確立、生産性や従業員満足の向上、ワークライフバランスの改善等の成果が得られたと報告されています。

ロンドンで実施してみたところ、良い成果が得られたので今でもやっていますよ、ということであるようです。

2020年の東京競技大会でも、国内外から大勢の観光客が集まり、大会会場周辺で大変な交通混雑となることが予想されるため、ロンドン大会の成功にならい、2017年から2020年までの毎年、開会式に相当する7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけて、テレワーク一斉実施の予行演習を呼び掛けて参ります。オリンピック・パラリンピックを契機として、全国的にテレワークの普及が進み、働き方改革のレガシーとなることを目指します。

なんとなく、政治家さんが考えそうなことですね。(笑)

ただ、テレワークがいい、テレワークを実施しようよ、なんて声は昨日今日に始まったことではないですよね。しかし、日本企業の多くにはテレワークが浸透しない。もしかすると、会社員の多くは「テレワーク」という言葉さえ知らないのではないでしょうか。

僕は、これは管理職あるいは経営者(マネジメントサイド)の意識の問題だと考えています。もちろん、号令をかけている側の問題はありますが、やるかやらないかは、我々次第。

マネジメントサイドが、テレワークを歓迎しない背景には、大きく2つあると考えています。

1.評価できない(マネジメントサイドのスキル不足)
出社してこない社員が、いったいどこで何をしているのか分からない。だから、評価できない、という単純な図式です。クラウド化し、チャットなどで報告をする仕組みを取り入れたとしても、顔が見えない社員を、成果だけで評価するスキルを持ち合わせていないので、テレワークに取り組めないということなのでしょう。

2.社員が出社してこないオフィスで、何をすればいいのか分からない
これは、もう言葉通りです。テレワークを実施したとしても、一人も出社してこない、なんてことは実際はないのでしょうが、仮にそうだったとして、有人前提で仕事をしてきたマネジメントサイドにとって、何をどうすれいいのか分からない。

マネジメントサイドとしては「テレワーク」という言葉自体が耳に入ってこないんですね。昨日は、小池都知事がテレビに出て、東京オリンピックの頃までには、ぜひテレワークを浸透させたい、とおっしゃっていましたが、民間企業はそんな簡単なものではないのだと思います。ITを駆使して、クラウドを活用したとしても、オフィスという箱自体をなくせるのは、精々クラウドを推進する側の企業だけで、SIerだってテレワークなんてやってないよ、という企業が多いのが現実。

まずは出社する。この習慣を変えられるかどうか。御社次第だと思います。

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