UX(ユーザーエクスペリエンス)を黎明期から追いかけ続けてきた筆者は、昨年度の成長期を経て、いよいよ今年度は成熟期に入ろうとするUXの姿を再び追いかけることにした。第2章の最後に「UXは概念や理念」であり「デザイン思考などの方法論でUXを実践することの必要性」を論じてきた。ただし、その孤高な理念を下敷きにしても、なかなか実際の業務に反映できない、もしくはその効果や価値が見えにくいとの話を、特に現場ではよく耳にする。そこで第3章では、UXの成熟期を見据え「より現場に即したUX」とは何か、もしくは「UXを通じて何が日頃の業務や事業全体に貢献するのか」といったことに焦点を絞り、言及してみたい。

未来社会創造事業の公募を開始しました!

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こんにちは!UXのトビラの鹿島泰介です。

昨日の夕方から、未来社会を創造するためのさまざまなテーマを掲げて公募を始めました。サービスプラットフォームやAI(人工知能)、持続可能なものづくりや食料生産、未来の安全安心はいった誰が守るのか、温暖化から地球を守る低炭素社会の実現・・・など、ここでは語りきれないほど沢山のテーマがあります。

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私の担当は「超スマート社会の実現」領域で、第1のテーマはマーケターや経営者も気になるサービスプラットフォームです。従来は業界ごとに個別に提供されていたサービスが、API(Application Program Interface)を通してつながり、機能連携も進むでしょう。(金融業界はその好例で、昨年から一気に進んでいます。)この取り組みでユーザー側の期待を超えた経験価値(UX)は増幅され、新たなサービスが業界の垣根を越えてプラットフォームを通じて生まれることも夢ではありません。また、強固なセキュリティがプラットフォーム上にあればさらに安心感は増し、利用経験は従来の提供側と利用側の関係を超えたサービス共創につながると思います。プラットフォームと一口に言ってもセキュリティのような要素技術こそがサスティナブルなプラットフォームを作るし、それこそがUXに満ちた未来社会を支える基盤になると思います。

そして、第2のテーマとして、今年度は新たに「モデリングとAI」が加わりました。どんどん社会への活用が進むAI(人工知能)、特に機械学習や深層学習により、データハンドリングがそのまま企業の生命線になろうとしています。その背景には、効率化や構造化が求められるモデリングがあり、それを使ったシミュレーションによる事業や研究開発の精度向上も必須です。AIはどうしても結果に注力しがちで、良く説明不足を指摘されます。一方モデル/シミュレーションではデータや数字が生命線で、過去に経験したことのない異常気象や経済/社会変動に対してやや弱い印象です。しかし、この両者が交わり結ばれれば、より大きな力を発揮することは確実ですし、その成果は私たち市民に対しても大きなインパクトを与え、生活全体のQOL(Quality of Life)は向上し、UXに満ちた社会はここでも創造されると思います。

上記二つのテーマで、私たちのチームは募集しています。上記に限らず応募される方々の多くは従来なら大学の先生や研究者ですが、企業からも昨年度は応募が沢山有り、実際に企業の提案も採択しています。ぜひ国の予算ですので、自分のやりたい「超スマート社会」を牽引する、そして未来を創造する研究テーマに、この予算を使って取り組んでみませんか。国費ですので、国民すべての皆さんがそれを使って研究する権利があります。開発する権利があります。特にこの未来社会創造事業は、出口(私たちは社会実装と呼んでいます)指向で、事業化を決定するためのPOC (Proof of Concept/概念実証)までを目指しています。大学や国家研究機関に加え、企業の研究者の方々にも期待し、多くのご応募をお待ちしております。なお〆切りは7月31日(火曜日)の正午です。まだまだ時間はたっぷりございます。

http://www.jst.go.jp/mirai/jp/

―UXのトビラの鹿島泰介より―

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