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ユーザ導線を強化してコンバージョン率を改善するアクセス解析の仕方「3つの手順」

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この記事は平成27年6月17日に弊社の自社ブログにアップした記事をそのまま転載しています。

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アクセス解析は、WEBサイトの現状を知り問題点を発見するための業務で、WEBの改善にはかかせない。しかし、アクセス解析は、やればやるほど下記のような課題が発生することがある。

(1)アクセス解析すると「ここも悪い、あそこも悪い」と問題点が次々に見つかる
(2)その問題点を解決すべく、書籍などを参考にしてさらに細かい分析を行う
(3)ますます問題点が複雑化する・・・
(4)その結果、どこからどう改善していいのかわからなくなる
(5)最終的に、改善しても成果(コンバージョン)が上がらないということに。

なぜこうなるのか?

その理由は「数値を分析して問題点を見出し改善しようとする」からである。「数値が悪い、だから改善する」というロジックは、その数値を改善すればコンバージョンという成果が高くなるという確証があるときにだけ成立する。

極端な話、「平均PVが悪い、よし改善しよう」というのであれば、平均PVを改善することで、コンバージョンという成果が高くなる「確証」があるなら改善すれば良い。しかし、その確証がないなら、「平均PVを改善することでコンバージョンは高くなるか?」を「確認」することの方が重要である。

つまり、「数値を改善する」ことで、「コンバージョンが向上するのかどうか?」がわからない状況であれば、いくら改善しても、コンバージョンという成果につながりにくいのである。

そこで、今回のコラムでは、このような課題をもつWEB担当者やマーケティング担当者のために、「ユーザ導線」を強化するためのアクセス解析の仕方をご説明しよう。


ユーザ導線とは、「ユーザを問い合わせフォームへと誘導するための導線」のことであり、これを強化することで、「コンバージョン数」を増やすことができる。

あれやこれやと数値を分析して改善を進めるのではなく、ユーザ導線に焦点をあてたアクセス解析の仕方である。

このアクセス解析法で、あなたのWEBサイトの「ユーザ導線の強さ」を明確にしてほしい。そして、「ユーザ導線のどこが弱いのか?」から問題点を明確化し、そこから具体的な改善を行い、PDCAを回しながら、徐々にユーザ導線を強化していただきたい。

ユーザ導線を強化するアクセス解析の仕方

それでは、アクセス解析の仕方をご紹介しよう。その手順は下記の3つである。なお、説明をわかりやすくするためにBtoBサイトを意識した手順になっているが、ネットショップやBtoCでも応用すれば十分活用できる。

(1)今のWEBサイトの各ページを目的別にグルーピングする
(2)グループ毎のアクセス数を分析しアクセス解析レポートを作る
(3)アクセス解析レポートからユーザ導線を強化する具体策を見出す

手順1「今のWEBサイトの各ページを目的別にグルーピングする」

最初の手順は、今のあなたのWEBサイトの各ページを「ページの目的別」にグルーピングする。

WEBサイトでコンバージョンを得るには、「問い合わせフォームまで誘導すること」が重要だ。問い合わせフォームまで誘導しないとコンバージョンは絶対に発生しないからだ(電話などは一旦除く)。そう考えると、各ページには「問い合わせフォームへ誘導するための何かしらの目的」があることになる。

そのため、手順1では、各ページの目的を明確にしてグルーピングするのだ。では、どうやって目的別にグルーピングするのか?そのヒントになるのが、AIDMAプロセスである。

AIDMA(アイドマ)とは1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語である。日本語圏において「AIDMAの法則」として、2004年に広告代理店の電通等により提唱されたAISASとの比較により知られる。AIDMAの法則では、消費者がある商品を知って購入に至るまでに次のような段階があるとされる。

Attention(注意)
Interest(関心)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)


ウィキペディア AIDMAから引用

上述した「目的」というのは、AIDMAでいえば、「A」や「I」などのことで、「A」であれば、「注意喚起」が「目的」となる。つまり、「注意喚起という目的を達成するためのページはどれか?」という視点で各ページに目的を割り当てていく。

ただ、AIDMAは一般的な購入のプロセスであるため、そのまま活用することはできない。そこで、御社の商材やターゲットに合わせて、AIDMAのようなプロセスを考案する必要があるが、ここでは説明をわかりやすくするために、著者がよく使う「BtoBサイト向けの5つの目的」を活用して説明を進めさせていただく。

<著者がよく使うWEBページをグルーピングする5つの目的「IUCOF」>
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AIDMA風に言えば、IUCOF(ユーコフとでも呼ぶ)となる。このユーコフに従って、ページをグルーピングしてみよう。下記はBtoBサイトでよくあるコンテンツをユーコフにグルーピングした表である。下記を参照して御社のサイトをグルーピングしてほしい。

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上記のように今ある御社のページをユーコフの目的に従って、グルーピングしよう。注意点としては、曖昧なページ(複数にグルーピングできるページ)がある場合は、そのページは目的が複数あることになるので、1ページ1目的になるようにコンテンツを分割しよう。逆にどこにも属さないページなどは一旦無視しておこう。足りないページがあるようであれば、追加で制作するとよい。

手順2「グループ毎のアクセス数を分析しアクセス解析レポートを作る」

グルーピングができたら、いよいよアクセス解析レポートを作る。まずは下記のような表を作る。

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この表は、ユーコフの目的別の合計ユニークユーザ数を算出した表である(数値やページ名、URLはすべてサンプルのデータである)。googleアナリティクスなどを使って合計ユニークユーザ数を計算しよう。

これが計算できたら、次はユーコフの目的間の移動率を算出するレポートを作る。それが下記の表である。

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赤い枠の部分には、先ほど計算した目的別の合計ユニークユーザ数を入力する。商品興味付けの合計ユニークユーザ数は1,000だったので、商品興味付けのアクセス数に1,000と入力する。

そして(1)から(7)には、目的間の遷移数を入力する。

例えば、(2)の場合、商品興味付け(From)から商品理解(To)への合計遷移数を記入する。「商品興味付けの目的」から「商品理解の目的」へ「何人移動したか?」の合計値である。

今回の例で言えば、商品興味付けには、「商品の魅力・課題1・課題2・課題3」の4ページがあり、商品理解には「商品概要・価格について・流れ・こだわり」の4ページがあるので、「商品の魅力・課題1・課題2・課題3」から「商品概要・価格について・流れ・こだわり」へ移動した人数の合計値となる。

「商品の魅力→商品概要への移動人数」、「商品の魅力→価格についてへの移動人数」という具合に、すべてのパターン(例では16パターンある)での移動人数を算出し合計人数を計算するのだ。

なお(1)は、商品興味付けから商品興味付けへの移動になるので、目的内のページ遷移数となる(例えば、商品の魅力から課題1への移動など)。また(6)は離脱数になるので、商品興味付けからどこのグループにも移動せず、離脱した数の合計値となる。(7)は商品興味付けからコンバージョンが完了した件数となる。

これらの合計遷移数は、googleアナリティクスなどを使えば計算できる。計算できたら、次は移動率の計算をする。例えば(8)の場合、下記の計算式で計算できる。

(8)=(1)/ 1000 × 100

この要領で、すべての空欄を埋めていこう。すると、下記のような表が完成する。

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この表をさらにビジュアル化すると、下記のようになる。

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ここまでできれば、アクセス解析レポートは完成だ。

手順3「アクセス解析レポートからユーザ導線を強化する具体策を見出す」

作成したアクセス解析レポートでは、ユーコフの「目的毎の離脱率」と「コンバージョンに至るまでのユーザ導線」がわかる。

下記の例の場合のユーザ導線はこのようになる。

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「商品興味付け」→「商品理解」→「確信」→「行動促進」→「行動」→「コンバージョン」

具体的に見ると、「商品興味付けから商品理解へは23%」、「商品理解から確信へは11.43%」、「確信から行動促進へは25%」、「行動促進から行動へは60%」、「行動からコンバージョンへは16.67%」という導線の強さになる。これがユーコフを活用した場合のユーザ導線である。

この導線の順序は、「キーワード」や「参照元」によってばらばらになるので、ぜひあなたのサイトでも一度計測してみると良い。面白いことがわかるはずだ。「ん?こういうキーワード群ならこのようなユーザ導線になるのか」など、導線の変化が見られるはずだ。

そして、コンバージョン率を改善するには、このユーザ導線をもっと強化すればよい。そのためには、「ナビゲーション」と「離脱率」の改善が重要となる。

ユーザ導線を強化する!「ナビゲーションの改善」

ナビゲーションの改善とは、目的間のユーザ遷移をより遷移しやすくすることを言う。分かりやすく言うと、「商品興味付け」のページでは「商品理解」へのリンクを強化し、「商品理解」のページでは「確信」へのリンクを強化するのである。「次、どこに誘導すべきなのか?」を各グループで意識してナビゲーションを強化するのだ。

例えば、商品興味付けグループには「商品の魅力」というページがあるが、そのページの最後に「なぜこのような魅力があるのでしょう?それはこんなこだわりがあるからです!」と「商品理解」の「こだわりページ」へとナビゲーションする(リンクする)のだ。

このように、各ページにおいて「次の目的へ誘導するためにどのようなナビゲーションができるか?」を考え、導線を強化していくのである。どこにどんなナビゲーションを設置すればリンクが強化されるのか、改善策を考えてみよう。

ユーザ導線を強化する!「離脱率」の改善

離脱率の改善とは、ユーザ導線から離脱している離脱者を防ぐためのコンテンツ強化を行う施策のことを言う。商品興味付け、商品理解、確信、行動促進、行動の5つの目的でそれぞれどのようなコンテンツ強化が必要かを下記のPDFにまとめた。

IUCOF別のコンテンツ強化策PDFのダウンロード

ただし、商材やターゲットなどによっても大きく異なるため、1つの参考にしてコンテンツ強化案を立案してほしい。

改善のPDCA

ユーザ導線を改善したら、しばらく集客してみて、再度同じ手順で同じようにアクセス解析レポートを作ろう。前回と「遷移率・離脱率」がどう変わったのかを確認しよう。ユーザ導線の遷移率が高くなり、問い合わせフォームまでの誘導が順調になっていれば改善は大成功である。

逆に悪化しているような場合もあるだろう。その場合は改善策に効果がないと判断し、他の方法を考えてみよう。ただし、数回やっても改善しない場合は、ナビゲーションやコンテンツの問題ではなく、商品力そのものの問題である可能性が高い。

商品力・差別化力がない場合、いくらWEBを改善しても誘導には限界がある。そのような状況になれば、改善の経緯を会社に説明し、最終結論として「これだけの施策を行ったにもかかわらず、改善しないということは、WEBの見込み客のニーズを当社の商品が満たしていない、もしくは差別化できていないと考えられます」と結論付け、WEBの改善にコストをかけるのではなく、商品力強化にコストをかけるようにしよう。そういった判断もWEBマーケターとして重要である。

御社もやってみよう

いかがだっただろうか?BtoBサイト向けのユーザ導線を強化する3つの手順をご紹介したが、ぜひあなたのサイトでも一度ご紹介したアクセス解析レポートを作ってみてほしい。

少なくともあらゆる数値を分析して問題点を見出すより、ユーザ導線に焦点を絞っているので、成果を追求しやすくなる。

手順をもう一度まとめる。

(1)今のWEBサイトの各ページを目的別にグルーピングする

まずは今のサイトの各ページをグルーピングしよう。目的別にグルーピングすると良い。BtoBサイトの場合、一般的にはIUCOFに分けると良いが、御社独自のIUCOFのような仕掛けを考えても良い。

(2)グループ毎のアクセス数を分析しアクセス解析レポートを作る

グルーピングした目的ごとのアクセス解析レポートを作り、ユーザ導線、離脱率を数値化する。ユーザ導線はどういう経路でコンバージョンに至っているのか?を、離脱率はどこでユーザが流出しているのかを明確にする。

(3)アクセス解析レポートからユーザ導線を強化する具体策を見出す

アクセス解析レポートが完成したら、下記の2つの施策を行う。

1つ目は「ナビゲーションの強化」である。グループ間の遷移率を高めるためのリンクを各ページに埋め込もう。リンクは「次の目的への誘導」を行うことが重要である。

2つ目は「離脱率」を改善するコンテンツ強化である。これは商材によって異なるので、この記事中で具体策は言えないが、こちらのPDFにあるような強化策を考えると良い。

以上が3つの手順のまとめである。今度のWEB戦略会議でこのアクセス解析レポートの話がしやすいように、アクセス解析レポートのサンプルをPDF化してあるので、印刷して会議で使っていただければと思う。

コンバージョン率を改善するアクセス解析レポートのサンプル

(平成27年6月24日 株式会社ALUHA WEBマーケティングコンサルタント 荻野永策 http://homepage.aluha.net/

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