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サービス化時代の潮流、ビジネスモデルを探る。週末はクワッチ三昧!

サービス化の進展 〜製造業のサービス化 サービスプラットフォームを軸にしたビジネス拡大 〜

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先週は、製造業のサービス化におけるサービスとプロダクトの関係について考察を進めましたが(サービス化の進展 〜製造業のサービス化 サービスによるプロダクトの価値向上 〜)、今日はサービスを拡大するための”場”の考え方について考察してみたいと思います。

ビジネスを拡大し、利益を生み出すには、製造業で言えば、ハードウエアを核として「プラットフォーム‐場」を如何に広げるかが重要となります。

プラットフォームを拡げることを具体的にいうと、例えば、「システム構築」という場でICTコンサルやアプリケーションサービスなどがサービスとして提供されます。それをお客様の「システム運用」というスコープで捉えると、運用受託サービス(アウトソーシング)やセキュリティサービスなどに拡がります。

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当社の関係会社である富士通エフサスは、1989年に通信・情報処理機器の保守・修理を事業目的に分離し設立されました。現在では、お客様のIT資産をライフサイクル全般にわたってサポートし、「インフラインテグレーションサービス」「運用サービス」「メンテナンスサービス」の3つのサービスを提供し、売上高は2,577億円(2012年度3月期)に上ります。

さらに、お客様の「業務運用」まで視野を拡げると、いわゆるBPOと云われる、業務代行サービスに拡がります。例えば、当社のある関係会社では全国数百のホテルにサービスを提供しており、アウトソーシングとして、ホテルの予約業務から、会計業務などをすべて引き受けています。見方を変えるとホテルというハードウエアをいかにうまく見せるか、それはサービスにかかっています。

ICTで言えば、このように”場”を拡げることで、サービスの成長を遂げてきたと考えています。これは、ある意味お客様への問題解決(ソリューション)に他なりません。

「プラットフォーム‐場」を如何に広げるか?という考え方を突き詰めていくとビジネスを拡大していくことができるのです。

サービスの競争力を高めるために何が大事かといえば、いろいろな要因があるなかで、一番大事なのは、お客様を良く知ることだと考えています。

ある意味、「システムを売ってからがビジネスのスタート」といわれていますが、ICTのサービスはお客様との継続的な関係が一番のポイントだと言われています。当社がハードベンダーからサービスベンダーへの転換に成功したのは、お客様との継続的な関係構築を徹底して重視したからと考えています。「良い時も悪い時も」継続した関係を重視してきたことが、短期的なビジネスを重視する海外のベンダとの違いだと考えています。

クラウド時代に突入し、グローバル需要を取り込んでいく上でも、日本の強いプラットフォームは活かせるはず。製造業がモノづくりで支えながらプラットフォームを拡大し、これにサービスを付加して価値をつくるという視点が大切だと考えています。

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