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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

31. 勉強やプロジェクトの成功に必要な2つのこと

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年末ですねぇ。そして年が明ければセンター試験。受験生の方々、お疲れさまです。

私も○年前には受験生でしたが、受験勉強よりも日々の学校の勉強に追われて(なにせ学校の成績がすこぶる悪く、そもそも卒業できないという崖っぷちの状態でしたから)、結局受験勉強は共通一次試験直前の1か月前からしかやってない、というとんでもない経歴をもちます。

さて、朝日新聞デジタルの2016年12月15日版に、こんな記事があります。お笑い芸人・ロザンの宇治原史規さんに対するインタビューです。前回同様、リンク切れが発生した時のために主要な部分を抜粋しておくと・・・

 相方(菅広文さん)は高校の同級生なんです。高校3年生の春に仕事や大学も含めて将来のことを2人で話していました。会社員や銀行員、弁護士などの選択肢の中に芸人があった。相方と2人でしゃべるのが楽しくて、こうやってしゃべるのが仕事になったらいいなと。仕事が楽しかったら、人生は楽しいはず。それで一番やりたいのが漫才になりました。

 でも、具体的にどうやっていくかは考えていなかった。ネタも全くやったことなかった。その時、相方に「京大に行ったら」と言われて。もし将来芸人になって、京大出身だったら、いじられる。「じゃあ行くわ」って返したのが、京大を目指したきっかけです。

 しかし、受けた京大の模試はE判定。合格不可能と出ました。まずは戦い方を知ろうと、京大の過去問を読み始めました。肌でレベルを感じると、全然解かれへんやんと。でも頑張って勉強したら、「解けないことはないな」とも思いました。自信過剰なんですけど。ただ、勉強を積み重ねないと無理だなと。

 最終的に、試験がある翌年の2月に解けたらいいと割り切りました何月までに基礎問題を終わらせて、何月までに応用問題をやって、何月までに過去問をやって、という大きな目標を立てました。京大合格者の話を聞くと、だいたい毎日10時間勉強していたので、11時間やれば受かるやろと。その上で時間割を決めました。大きいスケジュールから小さいスケジュールにしていきました

高校生で、明確な目標設定段階的詳細化ができているところがすごい。宇治原さんが京大に合格するだけの地頭を持っているんだ、と言ってしまえばそれまでですが、勉強(特に受験)にしてもプロジェクトの成功にしてもその他の仕事にしても、成功の必要条件(十分条件ではない)はこの2つのような気がします。つまり、

  • 明確に目標を設定すること
  • スケジュールを段階的に詳細化すること

です。

目標設定については、かなり前に一度書きました。キーワードは「SMART」です。

  • Specific ・・・ 具体的であること
  • Measurable ・・・ 測定可能であること
  • Achievable ・・・ 達成可能であること
  • Realistic ・・・ 現実的であること
  • Time bounded ・・・ 時間的制限があること(あるいは Timely:即時的であること)

この5つの条件が整った目標は良い目標である、ということです。宇治原さんの「何月までに基礎問題を終わらせて、何月までに応用問題をやって、何月までに過去問をやって、」というのは、実にSMARTな目標であるといえます。

そしてもうひとつ重要なのが、段階的詳細化。全体のスケジュールをざっくりたてたうえで、今見えている直近のスケジュールだけを詳細にたてるわけです。まったくスケジュールをたてないわけにはいかないし、将来のことなんてわからないからかなり先のスケジュールまで明確に決めても仕方がありません。全体のスケジュールをおおざっぱにたた上で、徐々に細かいスケジュールに落とし込んでいきます。これができるのとできないのとでは、仕事の成果が大幅に変わります。

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最後に、宇治原さんがもうひとつ「心と体の健康」について挙げています。こちらも載せておきましょう。きっと参考になるはずです。

よく受験生のみなさんに、この時期、一番大事なことはなんですかと聞かれます。僕が思う一番大事なことは健康です。これは体の健康と心の健康と二つあって。まずは体の健康。この時期一番大事なのは、うがいと手洗い。絶対に体調を崩さないということ。

次に心の健康です。自分を追い詰めすぎないということが大事なので。勉強を頑張っているその合間、吉本の劇場に見に来たり、テレビとかラジオで楽しんだりしながら、受験勉強を頑張っていただきたい。

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