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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

【OJT】新入社員の生活をなんとなく気にかけておく必要性。

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新入社員研修での一コマ。

休憩時間に皆さんが雑談しているのを聞くともなしに聞いていたら、

「東京に来たら、オイオイってビル?店?があちこちにあって、あれ、何かな?」

「オイオイ? どういう店?」

「電車乗ってると、よく見かけるんだよ。オイオイ」

私。

「それ、もしや、〇I〇I って書いてあります?」(思わず、板書)

「そ、それです!」

「ああ、それは、丸井というお店、デパート?というのかな、、、ですね。」

「へぇ・・・。俺の地元にはなかったので、東京には、オイオイが多いな、と思ったんですよねぇ」

読み方、わからないですよね。

さて、新入社員研修で新入社員と接していると、社会人になるタイミングで地元を離れ、初めての一人暮らしと言う人はとても多いものです。その地元が中国だったり、韓国だったり、モンゴルだったり、ベトナムだったり、ブルガリアだったりと最近では、本当にワールドワイドになってきています。

彼ら・彼女らは、「新社会人」として、ただでさえ、「新しい」環境に身を置いているのに、そこに加えて「初めての東京」とか「初めての大阪」とか、「初めての一人暮らし」とか「初めての"自分のお金"だけで暮らす経験」とか、「初めて尽くし」になるので、相当、ストレスフルなはずです。

OJTに置いて、会社の業務だのルールだのいろいろと教えていくことは大事ですが、一方で、「生活面」でのケアもある程度考えておいたほうがよくて、上司やOJTトレーナーは、生活面で不安はないか?問題はないか?健康面は大丈夫か?といったことも気にかけておく必要があります。

過去10年くらいの間に聴いた新入社員の新社会人生活にまつわるトラブルには、以下のようなものがありました。

●自分の保険証というものを初めて手にしたので、その大切さ(身分証明書になる、といった)が十分理解できていなかったA君。学生時代の友人(保険証がない人)に貸した。すると、その"友人"がサラ金で借金し、踏み倒し、取り立てが、「保険証」を課したA君、とA君の所属企業にやってきた。

●初めての一人暮らし、初めての自炊、お金も少ないし、節約しようと食費を切り詰めることにしたB君。社食では一番安い蕎麦を選び、夜は、誰かに奢ってもらえる時は食べるが、自宅にまっすぐ帰る日は何も食べずに寝てしまう。若者らしく、朝ごはんは抜き、という生活を重ねていたある日の健康診断で、産業医か保健師?から人事に緊急連絡。「20代で見たことない数値が出ている人がいます。今の時代、考えられない栄養失調状態です」とのこと。慌てて本人に確認したら、上記の食生活が判明。人事が諭して、食事を摂らせるようにした。

どちらも極端な例で、10年の間で1件ずつしか耳にしていないので、「新入社員あるある」ではないのですが、ただ、新入社員自身の急激な環境変化を考えると、「そういうことだって起こる可能性はある」とも思えるものです。

OJTは、仕事ができるようにサポートするものですが、仕事がちゃんとできるためには、日常生活にできるだけ不安も問題もないほうがよくて、親元離れた人には、最初、身近にケアする仲間もいないので、上司やOJTトレーナーがなんとなく気にかけていることが大事かなと思います。

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たかぎなおこさんの漫画エッセイ本。たかぎなおこさんと益田ミリさんの漫画エッセイ、好きなんですよねぇ。

こちらは、たかぎさんの一人暮らし関連本たち。

  

友人のスープ作家・有賀薫さんの近著。

仕事で遅くなっても簡単なスープを作ってパンかご飯をちょこっと食べるだけでも、何も食べないとか、すべてコンビニ弁当で済ますよりはうんといいよ。できるだけ簡単にできるレシピを考えたよ!という本です。

薫さんのスープ本については、いずれまた、それだけで取り上げますが、一人暮らしの新入社員、という文脈でちょうどよい本だなぁと思ったので、ここでご紹介します。

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