人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

新入社員研修で私が心がけていること② 教えていないことが「できない」といって注意しない

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新入社員研修も3週目に入りました。55歳、疲労しながらも、楽しく頑張っています。

さて、「教えていないこと」が「できない」のは当たり前なのですが、「教えていない」にも関わらず、注意したり、ダメ出ししたりする講師がたまにいるんです。これ、良くない。

「いや、だって、常識でしょう?」と思うかも知れないですが、「自分の常識と新入社員の常識は異なる」のだから、きちんと教えるのが年長者の務めです。

例で説明します。

「今から30分で、〇〇について話し合った結果を模造紙に書いて、貼りだしてください!」

といったワークをしたとしましょう。

初めてのグループワークなので、段取りもうまくいかず、まあ、30分で終わらないんですね。

模造紙に文字を書くのに5分程度しか見ていなかったりするのですが、5分で1枚の模造紙を書けるわけがない。

なので、30分の納期を過ぎて、まだ延々と作業していて、

講師から

「30分が過ぎましたが、どうしましょう?」

と尋ねると、

「延長してくださいー」

と言ってきたりします。

この場面で、

「納期に間に合わない場合は、こちらが"どうしますか?"と尋ねる前に、相談にくるものです。事前に相談しなければ、社会人として信用を失います!皆さんには時間管理の観点が抜けています!」

なんてことをいきなり言うと、新入社員はかたまります。目が点になります。

「そんなこと、習ってないよー」と思うでしょう。

「時間管理とか納期のこととかを教えた」後であればよいですが、まだそういう指導をしていない時は、納期遅れについて厳しく叱責してはダメです。自信を失わせるだけです。

「30分以内に出来なかった」「講師から尋ねたら、"延長してくださーい"」と返事した。

この状態で、私は、初めて教えるようにします。


「30分を過ぎて、私から"どうしますか?"と尋ねてやっと"延長"と言うことになりましたけど、本来だったら、どうしたらよかったと思いますか?これが、仕事の納期だと想定して考えてみてください」



ってな感じで考えてもらいます。

そうすると、

「あ!」

という顔をして、


「早めに言うべきだと思います」
「延長してくださーい、じゃなくて、延長できますか?と相談したほうがよいと思います」

ってなことをだんだんとわかってくるのですね。(他にも色々ありますが)


「今回は初めてなので、これでよいです。次回からは、納期も意識して、間に合うように計画を練るとか、間に合わないなら早めに相談するとか、考えて動いてくださいね」

と言います。

皆さん、慌ててノートに「大事なこと」として書きとめることになります。


①に書いた「一度にたくさんのことを言わない」のマイルールがあるので、グループワークの内容を細かく説明していると、最初に時間管理まで言ったら、あれこれ気にしなければならないことが多くて、どれもうまくいかなくなります。

新入社員は、真っ白で、吸収も速いので、一度言われたら、「そうなんだ」となって、次からは、事前に相談に来るようになります。いっぱいいっぱいになると、事前相談を忘れることはあっても、「そうすべきだ」ということは頭に残っています。

注意するのは、教えたことだけにしています。

教えていないことは、まず、教える。
教えたのに、まだ何かまずいことをしていたら、注意(というか、指摘)する。

こんなマイルールで研修を運営しております。

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経団連出版で2006年に出していただいた「はじめての後輩指導」。

ロングセラーで、まだまだ読まれています。

書き下ろしのエッセイのような軽い文章です。

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