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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

ドローンが飛んでくる前に、ドロンしてしまうってのはどうですか?

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虚構新聞のようなNEWSが流れ、Twitterでハッシュタグを追っていくと、あきれている人のほうが多いようなので、ちょっと安心しました。

ドローンで残業している人を見つけて帰らせる

そこですか。
そこ?

「ドローンは飛ぶ音がうるさいから、気になって帰るだろう」

という考えもあるようですが、だったら、「ドローンなんてもんをわざわざ使わなくても、不快な音をスピーカーから流し続ければいいんじゃないか」と思ったりしました。(笑)

記事によれば、「ドローンで残業している人を撮影する」とかなんとか。

えっと、上司、何しているんですかね?

撮影された写真が送信でもされないと、部下が残業しているかどうかもわからないんですかね。自分で見て、自分で判断して、自分から働きかけてらいいじゃないですか。え?違うの?

だいたい、残業している状態にばかり目を向けて、残業を規制する前に、残業に至る構造とか業務量とか体制とか、そういったものを見直したほうがいいんじゃないでしょうか。

●無駄な会議、やってないか?
●2人で話せばいいことに、10人も参加していないか?
●口頭で説明すればいいのに、説明のために綺麗なPPT資料作らせていないか?
●社内資料の誤字脱字レベルを何度も直させていないか?
●1時間の電話会議でもいいはずなのに、新幹線にのって移動して、往復7時間くらいを費やしていないか?
●報告のための資料のための資料のための資料を作ったりしていないか?

とか、見なおすことはたくさんあるでしょう。(たくさんあって、書ききれない

残業しているという事象だけを捉え、写真撮影し、「蛍の光」も流して、「かえれー」「かえれー」って、漫画みたいな話だわー。

もう「何のための働き方改革なのか」という根本の理由、目的がだんだん分からなくなってきているようですね。
手段にばかり目が行っている。

この間聴いた話では、

「20時になると消灯しなきゃいけなくて、ガードマンが懐中電灯を持って見回りにくる。足元を照らすから、残業している人は、全員、椅子に脚を上げて、息をひそめる。ガードマンが通りすぎたら、また、仕事再開する」

・・・

地下活動ですか?・・・びっくり。

よく、若い人に「自分で考えて自分で判断し、正しいことを主体的に自律的に行動に移せる部下になってほしい」と言う声を聴くけれど、経営者や管理職が、まず、「自分で考えて、自律的にアクションを取る」ことが大事なんじゃないかなと思います。

厚労省が言っているから、総理大臣が言っているから、じゃなくて、
自社では何を実現したくて、従業員にはどういう働き方をしてほしくて、っていう哲学や信念がないから、形先行になってしまうんじゃないでしょうか。

・・・・・・・・・


「働き方改革」の事例って、本当に面白いものが多いので、これからも引き続き「収集」に務めたいと思います。


とりあえず、ドローンが飛んでくる前に、定時になったら、ドロンするのが得策ですな。

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