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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

自立と自律の違い。

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先日、新入社員研修で、

「自立」と「自律」の違いを説明できますか?

と尋ねたら、ある方がさっと手を挙げて、こう言いました。

自立は、「よしっ!」って感じで、
自律は、「すっ!」って感じです。

身体を伸ばしたり、ジェスチャーしたりしてのこの説明に、「おお、なんとなく言いたいことはわかった」と思いました。

昔、「ひとりでできるもん」という番組だかコーナーだったかが教育テレビ(現Eテレ)にあった記憶がありますが、「自立」とはまさに、「ひとりでできるもん」のことですよね。

一方で、自律というのは、「自分なりの価値基準とか規範をもって、自分で判断して動ける」といった意味を持つ言葉です。

新入社員の場合、いろいろなことが一人ではまだできなくて、先輩に教わったり、先輩と一緒に動きながら、少しずつ「自立」できるよう学んでいきます。

そして、「自立」できた後、「これをやっていいのか」「こういう場合はどう振る舞うべきか」「他の人がやっているこれは、自分の規範には合わないからやらない」などと、自分で判断して仕事していくのが「自律」です。


小さい子が、自分でおもちゃ片づけたり、ご飯食べたりできるようになるのは「自立」で、
「このおもちゃは今片づけたほうがいいよなと考えて言われなくても行動する」とか「今は大人と一緒だから、騒がずにおとなしくご飯食べよう」なんて思って行動していたら、それは「自律」ってことですかね。


自律するのは難しくて、いい年齢の大人になってもなかなか「自分の価値基準で判断して」というのができない場合もあります。なんとなく周囲に流される、とか。

あまりに上ばっかり見て行動していると、「ヒラメ」なんて呼ばれちゃいますしね。

自律は年齢にかかわらず難しい課題です。

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