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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

そもそも「今」この会社に新卒で入社できるのだろうか?と全員で遠い目になった、件。

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新入社員のOJT制度の支援を行っています。21世紀になったあたりから、業界問わずに、新入社員にはOJT担当の先輩を一人つけて、1年から3年くらいはきちんと面倒を見る、という制度です。

こういう制度を運用していると、現場の中高年からほぼ必ず挙がる声があります。

「昔はそんな制度なかったぞ。そういう制度がなくても、私たちは成長してきた。今はなんて新人にやさしいんだ!」

しかしですよ、考えてみてください。

今の時代、「新人にさせられる簡単な仕事」って周囲にあふれていますか?

先日、30-40代の方たちとお話ししていたら、「そういえば、新人に会議のコピー取りさせる、なんてもうないもんなぁー」という例が出まして、「新人ができる簡単な仕事って激減しているなぁ」「会議の資料コピーじゃなくて、いきなりコード書けって感じだもんなぁ」と一同納得。

新入社員でもできるような簡単な、そして、時間かかっても許させるような、あるいは、失敗しても多大な影響を及ぼさないような仕事ってないんですよ、今、職場には。

だから、育てないといけないんです。ケアが必要です。

そして、これに関連していると思いますけれど、新入社員研修が年々高度化しています。もう難しいんです、内容が。

詰め込み、という意味ではありません。

20年くらい前と比べたら、新入社員研修のカリキュラム構成は、比較的余裕をもっています。振り返りの時間をきっちり確保したり、みんなで考える時間も増やしたりと。

でも、内容が本当に高度になってきています。

こういう言い方は何ですが、「私が新入社員だったら、この内容、きっと着いていけず、入社2日目から落ちこぼれる!」と思うほどです。(講師側でよかった。ココダケノハナシ・・・)

そんなことを言ったら、「新入社員研修以前に、そもそも、入社できないんじゃないですかね?僕たち」と言われました。

そうだ、そうです。

今の会社に新卒で入社する、なんて、きっとどの企業の中高年も相当難しいのでは?

「今の時代に学生で、今の会社の入社選考をクリアしていく」

って、学生の頃の自分の能力を考えると、「あ、無理!」と私は思ってしまいました。

「俺も、きっとうちの入社試験、今だったら受からねーな」

とその場にいた人も口を揃えて言ってました。

今の若手は本当に大変な時代を生きています。
入社してからもかなり大変。
それに着いていっているのだから、すごいことです。



若手に追い抜かれないよう、中高年も頑張らないと、です。


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全然関係ないですが、「新入社員研修」の思い出についてコラム書きました。

コチラ です。


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就職活動といえば、こんな本を以前読みました。

        

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