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「残業が減らないのはどうして?」

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先日、発売された日経ビジネス(2016.5.16 No1841)に、非常に興味深い記事がありました。

「昭和から続く悪しき伝統の真実〜残業が減らないのは家に帰りたくないから」

今まで、日本の企業は厚生労働省の指導の元、日本の高度成長時代の遺物である「過度な残業」を削減して「適正な労働時間」に変えて「労働者の生産性を高める」ような施策を次々とうってきました。

例えば
ノー残業デー
フレックス制度
定時消灯
罰金制
事前申告制
裁量労働制
在宅勤務
サマータイム
早朝出勤

ところが実態はというと、「一般労働者の総残業時間は20年前とほとんど変わっていない」と言う訳です。
これは何故か?

それについて本記事では、「我々日本人労働者の文化が全く変わっていないからだ」

と結論づけています。

例えば
残業すれば出世する
帰っても(家庭で)ろくなことがない

などの文化環境が日本では今でもあります。

確かにこれは日本の企業ではまだ残っている文化、価値観であると思います。
このような「残業文化」が残っているにも関わらずに、会社が残業削減策をとっているため、途方にくれた「ノー残業難民」が街をさまよっていると書かれています。

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さて、ここでIT技術者の残業時間を見てみましょう。

2014年に行われた某企業のサンプリング調査(PAIZAサイトより)だと

75%のIT技術者が1ヶ月の平均残業時間が40時間以下
40%のIT技術者の残業時間は20時間以下

という結果があり、まず量的にはそれほど過剰な残業はないように見えます。

ところが別の某企業のサンプリング調査(リクナビNEXTサイトより)では、以下のような声が挙げられています。

「毎月100時間以上の残業をしないと仕事が回らないのに裁量労働制のおかげで月25時間分の残業代しか支払われない。」

という実態もあるようです。つまり本音と建前ですね。つまり例えば

(本音)毎月100時間以上残業するべき仕事がある
(建前)毎月申告できる上限が25時間まで

上記、本音と建前の差はいわゆる「サービス残業」となります。

ここで某企業のサービス残業を調査した結果(リクナビNEXTサイトより)をみてみるとなんと、

「65%のIT技術者はサービス残業をしている」という調査結果がありました。


その内訳はサービス残業時間別にみると

月に80時間以上(5%)
月に60-80時間(1%)
月に40-60時間(10%)
月に20-40時間(17%)
月に20時間以内(32%)

となります。

つまりIT業界では、残業については、一般企業の「出世や会社文化」という要素ではなく、「プロジェクト至上文化」とも言うべきIT業界特有のシステム開発というプロジェクトを成功させるために個人を犠牲にする「サービス残業」が大きく影響しています。

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この日経ビジネスの記事と共通して言えるのは、両者ともに既存の会社が実施している、残業を強制的に上限を設定して削減させようとする「ノー残業デー」に代表される方法はほとんど役にたたないということです。

結果的に、一般企業では、その施策の結果として「ノー残業難民」が増え、IT企業では「サービス残業」が増えてしまうのです。

IT業界で、これを変えていくためには、表面的な残業削減方法ではなく、ITプロジェクトの仕事のやり方、または仕事の取り方を変えていくしかありません。

特に以前から言っている「SI一括請負」契約が大きな原因となっています。発注者側に残業及び残業代を認識させるための「業務委任」型の契約であることが最低条件です。

その上で、プロジェクトがデスマーチに陥らないための発注者側と受注者側が協同したプロジェクトマネジメントが必要です。

ただ、私は、目的と目標を持った残業は必要だと考えています。あるビジネスを達成する目的があり、そのために自分の時間を100%費やす事は悪い事ではありません。またいつの時期までにという目標期日が明確にあれば、より頑張れます。

例えばベンチャーを立ち上げたチームは、自分たちのビジネスを成功させるために120%の力を仕事に注ぎます。

例えばコンサルタントは顧客のオーダーをこなすために期日内で徹夜も含めて多くの時間を費やします。

こうした働き方により生まれる残業であれば、逆に人生の糧となると思います。

ですから一概に残業削減というのは、元々無理があるのです。むしろ目的、目標をきちんと設定してその間は残業をたくさんして精一杯働き、期日が終わったら一旦休む、というような働き方をすることがベストだと思います。

仕事の生産性を高める方法は残業削減ではなく、仕事のやり方を変えることなのです。

企業の側も、今までの「残業一律削減施策」ではなく、「働き方を変える施策」を、もっと打ち出すべきであると思います。


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