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今のIT業界の仕組みは間違っている!〜ITプロマッチへの道(その1)

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久しぶりにブログを書きます。
昨年の夏からずっと考え続けて、今、ようやく実現しようとしているプロジェクトについて話したいと思います。話しながらそこで考えるIT業界の論点についても語っていきたいと思います。

昨年の始め、2014年の2月に発売された「日経コンピュータ」にこんな記事がありました。記憶している方もいるかと思います。

「現行SIモデルは限界点に」

この記事のポイントは以下のようです。

○2015年以降、みずほ銀行、マイナンバー、日本郵政グループ、電力会社等の大規模プロジェクトが集中しており、大幅なIT技術者不足になる。

○ただ2017年以降の大規模プロジェクトが見当たらないためそれ以降は逆に大幅なIT技術者余りが予想される

○こうした需給変動に対して、日本のIT業界は多重下請け、法令軽視、そして3Kと呼ばれる問題を抱えている

○これから来るIT業界の大きな需給のトレンドを機会として、このIT業界特有の労働問題を改善できないものか。

○まずピラミッド型構造から抜け出し、ユーザー企業とのフラットな業界構造を目指すべきだ

というような論調でした。

私は、IT業界が何故、このような多重構造をしているのか、またそれによって何が問題となっているのかはあまり真剣に考えてきませんでした。私も含めて多くの人がその悪しき慣習の中にどっぷりつかり、それがあたりまえのように仕事をしています。IT人材を探したり、契約するとき以下のようなことが何の不思議もなく当たり前の問題としてとらえ、たまにそのことにイライラしてもそれを変えようとは思ってきませんでした。

<発注者側の立場で>

○ IT人材が必要な時に人材エージェント会社にお願いしても、めったに適任の人材が出てこない。

○ やっと見つけたITプロフェッショナル(コンサルタント、エンジニア)の人に対して、相場より高い単価が人材エージェントより要求される。

○ 一度、契約して契約期間が終わったITプロフェッショナルの人が非常に良かった為、再度お願いしたい場合があるが、既に別の仕事が予定されていると断られる

○ 一度、契約して契約期間が終わったITプロフェッショナルの人が出来が悪かったが、次に募集した時に、人材エージェント会社から、またその方が推薦される。

<受注者側の立場で>

○ 自分のスキルに合った仕事ややりたい仕事が回ってこない。またそれを探す方法もない。

○ ユーザー企業から発注されている単価の半分の価格しか自分には支払われない。残りの半分は多重ピラミッドの各社の手数料となる。

○ 一度、契約して非常に良い仕事をしたとユーザー企業から評価いただいても、それが次の顧客に伝わらない。またきちんとした評価自体がもらえない。

<IT業界の会社の経営者>

○ ユーザー企業に営業するよりも、大手のSierや中堅のSierを営業して、多重構造の部分的な仕事を受注するほうが確率が高い。但し、利益率は低い。

○ 大きな仕事を取って来た時に、自社だけでできないため下請けに流す。その場合、マージンを自社で最低3割以上は取りたいため、下請けにだす仕事は同一業務でも安い単価でだす。

○ 自社に人材の照会が来た際、自社にいない場合は、他社を紹介するが、その際、自社を通してマージンをとることが慣習である。

<IT業界を目指す若者の立場で>

○ IT業界に入っても、多重構造に搾取されて自分の給料が適切にもらえない。

○ 多重構造の中で、どんなプロジェクトかの全体像がつかめないまま、歯車のような目的のない仕事を延々とさせられる。

○ 多重構造の中、発注者としては限られた予算で少ない人間で回そうとするため、結果的に1人当たりの労働時間が長い(残業が多い)

IT業界の多重構造でこのような問題が日々見られますが、IT業界の人々はこれを日常的な当たり前のこととして感じています。

この中で最悪な問題点はどれでしょうか。それは<受注者の立場>での問題点です。

仕事の報酬が仕事に見合った分だけもらえない!!

という点です。つまり、

中間で何も仕事をしていない人(会社)に搾取されている!!

という問題なのです。

またこうした各IT技術者の低賃金の問題が、IT業界を目指す学生などにとって、IT業界はネガティブなイメージの3K業界と思われてしまっているのです。

それでは我々はどうすればよいのでしょうか。答えは明確です。IT業界の魅力をもっと挙げる為に何をすべきかを考えるのです。多重構造は、業界の一部の経営者は潤っても、そこで働く人々にはなんのメリットもありません。徐々に階層を減らしていくべきです。

発注者から月100万の報酬が支払われても、IT技術者に月50万しか支払われない今のシステムは、明らかに時代遅れです。

(次回につづく)

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