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夢や目標に変わる、もう少ししっくりくる言葉を見つけた

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ボクがコーチングの勉強を始めたとき、そう、あれは30代前半、「夢」という言葉をよく使っていた。当時読んでいたブログや、いろんな書物にも「夢の実現」とか、「なりたい自分になる」なんて書いてあったから、「夢」という言葉を使うことにそんなに違和感がなかった。

あと、「目標」という言葉もよく使っていた。当時、プログラマーとして活躍したいと転職したのに、なにもかもがうまく行かずに心が折れかかっていたボクは、それを回復させたいと自己啓発書をよく読んでいたこともあって、「目標を叶える」とか、「成功」とか、今から思えばなんとなく「ふわっとした夢物語」に、あこがれを抱いていた......みたいなところがあって、「そうだよ、成功するんだよ」なんて思っていた気がする。そう、結構まじめに。

それらによって救われたことも確かにあった。今まで描いたことのない「夢」というものをなんとなく描き、「目標」を持つことで、折れかかった心が躍った。高揚した。

だけど、いざ、「夢」や「目標」に向かって動き始めると、なかなか叶わないのだよな。まわりには著名になったり、金持ちになったりした人もいたけれど、少なくともボクはちっとも叶わなかった。本には「夢や目標を叶えるのは簡単」って書いてあったのに全然叶わないじゃないか。夢を叶えるのは、ボクにとっては苦しいだけだった。ボクの人生は、今まで挫折だらけだったよ。

「それは、お前の努力が足りないのだよ」と、人は言うかもしれない。確かにそうかもしれない。それは甘んじて受けよう。そんなこんなで、「夢」とか「目標」みたいなものにはあまり見向きをしなくなり、どちらかといえば、現実の中を生きてきた気がする。

それでも、プログラマーから人材育成に関わるようになり、その上でのコーチング的なことは、自身の体験としてそこそこのものはあったから、コーチング的な関わり方は、仕事として取り組んできた。

それは、自分の「夢を実現する」というよりも、「困っている人を助ける」ために。それをはじめたのが2007年。そんなこんなで約10年近く、ボクはやってきた気がする。そして、今もそれは続いている。

ホームページに、以前書いたコーチングに関する記事がある。そこには、コーチングの目的が書かれているのだけれど、そこにはまだ、「夢の実現」とか、「目標」とか、書かれている。それらを読むと、なんとなく気持ちが悪い。なんとなくしっくりこない。自分で書いたのに。しかも、そんなに前に書いたものではないのに。

でも、他にいい言葉が思いつかない。

そうだ、以前もそんな感じだったことを思い出した。「夢」とか「目標」とか、ふわっとした感じのことを表現したいんじゃない。もっと現実の、実務に役立つような、困りごとを解決できるような......そういったことを表現したいのだ。でも、いい言葉が見つからない。だから、あのときはしかたなく、そんな言葉を使ったのだ。

それでも、改めて、以前書いた自分の文章を読むと気持ちが悪い。夢?目標?そんなの、クソくらいだぜ。

もちろん、夢も、目標も大事だとは思っている(というか、こんなことを言いつつボクにも夢がある)。でも、そういう、ふわっとしたものではなく、ボクはもっと現実に寄り添いたい。現実の問題を解決し、物事をいいほうに導きたい。いや、導くんじゃないな。問題を解決するのはボクじゃない。クライアントだ。ボクはただ、そこに寄り添うだけだ。

まぁ、そんなことはいいのだけれど、ボクはもっと現実感が欲しいのだ。リアリティが欲しいのだ。ふわっとした夢物語ではなく。

あー、それを示すためには、どんな言葉がいいのだろう......そう悩んだ末にふと出てきた言葉が、「理想」だった。そうだ、「理想」だ。

ボクは今まで、「理想」という言葉をあまり使ってこなかったような気がする。その理由はよくわからないけれど、とにかく「理想」という言葉はあまり使ってこなかった気がする。

でも、サイボウズで働くようになって、ボクは「理想」という言葉を100万回ぐらい聞くことになった。サイボウズでは「理想」をとても大事にしている。

「夢」だと、なんとなくふわっとした感じがするし、「目標」だと、なんとなく固い感じがする。あと、「目標」は、なんとなく思っていないことを、鉛筆なめなめ決めるような感じがして、本当のボクはあまり好きな言葉じゃない。

だけど、「理想」だと、「夢」みたいなふわっとした感じじゃないし、なんとなくしっくりくる。以前なら、「何が理想だよ」と思っていたかもしれないけれど、今なら、なんとなくしっくりくる。

そうだ、コーチングの、今のところの目的は「理想」を実現することにしておこう。まぁ、正直言うと、「理想」というのも、言葉としては大きすぎて、なんとなくしっくりこないところがないわけではないのだけれど、今のところももっともしっくりくる言葉は、これだ。

なんて言いながら、ボクはどこかで、「この言葉もいつかしっくりこなくなる」ということに、なんとなく気が付いている。それは、かつて違和感のなかった「夢」や「目標」という言葉が、今ではなんとなく気持ちが悪いように。いま、しっくりきている「理想」という言葉も、ひょっとしたらいずれは、気持ち悪くなるのかもしれない。

でも、今は、それでしっくりきているのだから、それはそれでいいではないか。理想的なものにかなり近いのだから、それでよいのだと思う。それ以上ごちゃごちゃいってもキリがないし、こういうものは「シンボル」でしかないのだから。いずれまた、変わるものなのだから。身体感覚では、分かっているのだから。

そう、ボクはクライアントの理想を実現するために、コーチングをしているのだ。

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