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日本経営協会さんで「組織力を上げる社内(庁内)コミュニケーション」講演

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こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。

多くの地域で雨の被害が出ているようですが、これをお読みのみなさまのところは大丈夫でしょうか。川が決壊し、屋根の上で救助を待つご家族の映像がテレビから流れていましたが、適切な言葉が見つかりません。一日も早い復旧を願うばかりです。

さて、昨日は台風18号が日本列島を通過している中、日本経営協会さんで、「コミュニケーションがあなたの職場を変える!~職場環境の変化とコミュニケーションを考える~」という交流研究会に登壇させていただきました。

講演の前に、日本経営協会さんでまとめられた「ビジネス・コミュニケーション白書2015(関連記事:『ビジネス・コミュニケーション白書2015』に見る職場の実態)」の調査結果概要の報告と提言があり、その後、私のほうで「ICT時代だからこそ!組織力を上げる社内(庁内)コミュニケーション」というテーマで講演しました。参加者は大手企業や官公庁のみなさんでした。

一方的に話しても良かったのですが、せっかくなので、できるだけ多くのものをお持ち帰りいただきたいなと思い、講演の前に、現在職場でお困りのことを伺いました。

  • 世代間のコミュニケーションギャップをどう埋めるか
  • 部門間のコミュニケーションギャップをどう埋めるか
  • 行政窓口と市民の間のコミュニケーションギャップをどう埋めるか

など、共通的なテーマとしてあったのが、「コミュニケーションギャップをどう埋めるか」にあるように感じられました。

世代間のコミュニケーションギャップをどう埋めるか

世代間ギャップについては、各世代の特徴と、情報のやりとりに使うコミュニケーションツールの変化などをお話し、「世代によって当たり前が違う。それが分かれば、何をすればいいかが見えてくる」というお話をしました。

当たり前の話なのですが、私たちが社会人になって、今まで使ってきたコミュニケーションツールは世代によって違いますよね。ざっくりいうと、40代以上は電話、30代はPC、20代は携帯電話やスマートフォンみたいな。それぞれの世代で、育ってきた環境が異なり、慣れ親しんでいるツールが違うので、「当たり前」が違います。

そんな中、自分たちの「当たり前」を通そうとすると、他の世代からすると、それが「ギャップ」に感じる。だから、まずは特徴を知ろうよと。その上で、どうしたらいいかを考えようよと。そんなお話をしました。

世代感とコミュニケーションについては、「背景」で分かる―世代間ギャップを縮めるコミュニケーションにもまとめてありますので、もしよかったらご一読を。

部門間のコミュニケーションギャップをどう埋めるか

部門間のギャップについては、「コミュニケーションは人と人との営みなので、まずは、個人的な『人』の関係構築から始めては?」というお話をしました。

どんな会社でも、部門間のコミュニケーションギャップがあるとよく耳にしますが、それぞれの部門で利害関係があったりするから、その間のコミュニケーションをよくするのって、なかなか難しいですよね。でも、「部門」は人ではないし、会話もしない。コミュニケーションをするのは「人」なんです。なので、「人」にフォーカスするしかないかな?最初は「個」なんだろうなと思っています。ある部分でつながりあっている人がいると、「あぁ、○○さんの知り合いね。だったら......」みたいなところってあるじゃないですか。

また、コミュニケーションって単なるツールなので、「部門間のコミュニケーションをよくする」をテーマにしても、あまり変わらないんじゃないかと思っています。「部門間のコミュニケーションがよくなると、どうなるの?(その上にある目的)」がないと、よくならないと思います。みんな忙しいから、「コミュニケーションなんて面倒くさい。余計な仕事を増やすな」っていうのが、正直なところなのではないでしょうか。

でも、もし、「顧客から、『やっぱり○○会社の商品は最高だ!』と言われる商品を作ろう」とか、「売上を上げて、みんなの給料を上げよう!」みたいな、それぞれの部門が共通するテーマがあれば、お互いの利害関係が一致すれば、「うちの部門はここが苦手だから、○○は頼むよ」とか、「私たちは○○が得意だから、ここは任せて!」みたいな会話が生まれるんじゃないかなと。もっとも、その会話をするのは「部門」ではなく、やっぱり「人」なので、「個」のつながりを増やしていくことが大事なんじゃないかなと。

行政窓口と市民の間のコミュニケーションギャップをどう埋めるか

行政だと、窓口と市民ですけど、一般企業ならユーザー担当とユーザーと置き換えれば、一般企業でも同じかな?と思います。

以前、あるカスタマーサポートの人は、ユーザーのクレーム対応について、こう教えてくれました。「クレーム対応で大切なのは、まず、ユーザーのペースに合わせてとにかく話を聴くこと。十分に話を聴くと(ユーザーの意見を受け取ると)、こちらの話に耳を傾けてくれるようになるんです」。

コミュニケーションのすべての基本は、「ペースを合わせる」。それから、「こちらのペースにリードする」です。これしかないのかな?と思います。この方法については、拙著『うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル』にも書いてありますので、よかったら読んでみてください。

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講演の後は、交流会があり、職場で起こっている生の声を伺いながら、それについてどうしたらいいかをお話しました。もちろん、「こうすれば必ずうまく行きます」という答えはなかなかないわけですけれども、コミュニケーションの基本的な考え方やスキルはとてもシンプルなので、そのあたりのことを、参加者のみなさんが得ていただけていたらいいな。そして、職場のコミュニケーションがよりよくなればいいな。さらに、しごとが楽しくなればいいなと思っているところです。

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