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インスタントメッセージング

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4,5年前からアメリカではインスタントメッセージング (IM) の利用が拡大しており、現在はビジネスには不可欠なものになってきているようだ。

先日、これまで使ってきた個人向け財務会計ソフトである Quicken のバージョンアップに関連した情報を見るために、Quicken のサイトに行くと、IM によるサポートが提供されていて質問ができると書かれていた。電話などのサポートは、サポート時間の制限があったが、IM サポートは 24x7 (1日24時間、1週間7日) の休みなしのサポートを行っていたので試してみた。

IM サポートのリンクをクリックすると、Pop-up した画面の中に IM のクライアントが立ち上がってきた。質問を入力すると、「待ち人数:1名」という表示が出ていたので、30秒ほど待っていると自分の順番になったらしく返答があった。最終的には、問題は解決せずに、電話のサポート時間内に電話をかけてくれということになったが、電話やメールに比べてすばらしく早いサポートを受けることができた。IM を使った時刻は日本時間で午後10時ごろだったので、Quicken のサポート担当者がいるであろうアメリカ西海岸の時間は、朝の6時ということになる。24時間サポートとはいえ大変だなと思っていたが、もしかしたらチャットした相手はアメリカでなくヨーロッパにいたのかもしれない、そうすると昼下がりのちょうどよい時間ということになる。

IM によるサポートでもう一つすばらしいことは、一人のサポート担当者が同時に何人もの人とコミュニケーションできることにある。以前、ケーブルテレビのネットワーク関係の問題のサポートを IM で受けたことがあるが、指示された設定作業が時間がかかる作業だったので、サポート担当者はこちらの作業の間に別の人のサポートもやっていた様子であった(途中で、「他の人とチャットしていたので待たせてしまった」というメッセージが来た)。

国内でも外資系のソフトウェア企業やサービスプロバイダーが IM によるサポートを立ち上げてきている。企業内では、遊びと見られるのか、あまり市民権を得ているとはいえない IM ではあるが、実際に使ってみると手放せなくなる。

日本では IM を禁止している企業が多い。禁止することでリスクを回避しているように思えるが、IM を使わなかったことでビジネスの競争力が失われることになるかもしれない。良いツールは、リスクを理解した上で、使っていくという姿勢も必要だと思う。


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