オルタナティブ・ブログ > Software Development >

ソフトウェア製品開発現場の視点

Lotus Notes 8 のチーフアーキテクトが来日

»

IBM から Lotus Notes 8 のテクニカルセミナーの案内が来たが、そのときに Lotus Notes 8 のチーフアーキテクトの Jeff Eisen が来日するという話を聞いた。彼の経歴は、上のリンク先のセミナーの案内に書かれているが、私が彼と最初に会ったのは、1987 年のことであった。

そのころ Lotus Notes と Internet Mail を接続する機能の開発のために日本のロータスからアメリカにエンジニアを一人送り込んでいたが、そのエンジニアから「絶対にかなわないすごいエンジニアがいる」という話を聞いた。アメリカのエンジニアがソフトウェアを開発すると、普通は英語以外の言語には対応できていないので、国際化のチームが乗り込んでいって、後から国際化対応をするということが行われることが多い。メール関係の機能の場合は、様々な時代に作られた様々なソフトが送信してくるメッセージを正しく受け取らなければならないので、各国の歴史的な背景も理解しておく必要があり、特に難しい。Jeff Eisen はあっという間に国際化について理解してメール対応を完成しただけでなく、Lotus Notes 全体の国際化対応を推進してくれた。1998年に Massachusetts の Westford にある Lotus Notes 開発拠点に各国のエンジニアを集めて国際化チームを作ったときも、チームに対してサポートしてくれ、我々のチームが開発した部分のソースコードのレビューを喜んで引き受けてくれた。

IBM は1998年の長野オリンピックで情報システムに Lotus Notes を使っていたが、その長野オリンピックの期間、Jeff Eisen は何かがあったときの緊急対応のため Lotus Notes のソースコードと共に長野に滞在していた。幸い大きなトラブルは起きなかったようで、オリンピックを楽しんできたという報告が、アメリカに帰国後の Jeff からあった。

2006年の1月にあった Lotusphere のときに久しぶりに Jeff に会った。チーフアーキテクトという立場になっても、「キーボードが壊れるようなキータッチでパワフルにコードを書くエンジニア」というイメージはそのままであった。今回の来日で再会できることを楽しみにしている。



Comment(0)