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経営コンサルタント 中津山 恒の日常ーいつの間にやらガジェットがいっぱい

「中島みゆき」というペルソナ

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 筆者は隠れもしない中島みゆきファンで、コンサートや夜会にも足を運んでいます。チケットをとるのが難しいので、ファンクラブのなみふくかじまゆきァンラブ)にも入っています。個人的には、大バッハことヨハン・セバスチャン・バッハと、伝説のピアニストで奇行でも知られるグレン・グールドと並んで好きな音楽家です。
※芸名に対する敬称は略させていただきます。

■中島みゆき

 中島みゆきは、ももいろクローバーZに楽曲「泣いてもいいんだよ」を提供して話題になりました。その前は武井咲主演の連続ドラマ「東京全力少女」のテーマソング「恩知らず」を歌い、初回放送に掃除のおばさん役で出演したりしているので、若い方も中島みゆきをご存じかもしれません。

 筆者は大学受験の頃に深夜放送を聴いていた世代ですが、中島みゆきのオールナイトニッポンは、不思議なほどほとんど印象に残っていません。あのテンションについて行けなかったのかもしれません。

 中島みゆきの音楽を本格的に聴くようになったは2003年ごろで、カラオケで友人が「狼になりたい」を歌ったのが強く印象に残り、1枚アルバムを聴いたらすっかりはまってしまいました。

 その前はというと、大学入学直後、中島みゆきを愛する先輩と酒を酌み交わしながら何度となく聴いたことがありました。残念ながら、その先輩は交通事故に遭って若くして亡くなり、そのことも筆者の中島みゆき観に影響しているように思います。

 ちなみに、「狼になりたい」はシングルではないのですが、ファンの間では有名な曲です。曲の舞台となっているのが牛丼の吉野家で、筆者は中島みゆきのコンサートの直前に吉野家に入ることにしています。

■「中島みゆき=ペルソナ」説を唱える

 今回のテーマですが、筆者には「中島みゆき」というキャラクターが中島美雪さん(本名)の演じる役に見えるのです。

 コンサートのMCでは「しゃべってびっくり、ナカジマでーす!!」というのが定番のようですが、本当に歌とMCの間にギャップがありすぎます。曲でしか知らない方がラジオを聴いたり、コンサートのMCを聴いたら、「あの曲を歌っている人と、本当に同一人物なのか?」と思うでしょう。何しろ、ご本人がそう言っていますから、間違いありません。

 こんなことを言うと、多重人格か、作ったキャラクターかとも思われるかもしれませんが、おそらくどちらも中島美雪さんのごく自然な一面なのでしょう。状況によって心のスイッチが切り替わると言った方が正しいかもしれません。

 筆者が中島みゆきのすごさを感じるのは、文字通りスイッチを入れるように、一瞬でモードが切り替わることです。コンサートに行くと、それが一層はっきりわかります。コンサートではおハガキのコーナーがあり、オールナイトニッポン同様、超ハイテンションのトークを繰り広げます。それが、曲に入った瞬間に、誇張ではなく別人のようになります。逆に歌い終えて拍手が止むと、またトークのモードに切り替わります。「あした」をしっとりと歌い上げた直後のMCでハイテンションになり、ご本人が「曲が台無し」と評したこともありました。

■中島みゆきの「スイッチ」に学ぶ

 この切り替えは、ビジネスパーソンしても家庭人としても見習うべきだと思っています。きちんとモードを切り替えることで、プロフェッショナルとして、あるいは夫・父・息子として、より適切に振る舞うことができるのではないかと思うのです。たとえば、プロフェッショナルとしては、危機的な状況にもポーカーフェースを貫いたり、苦手な方と一緒でも自然に振る舞うことができるでしょう。

 過去の記事「鈍感力」を鍛えるでは、筆者の慢性疾患との付き合い方を書きました。ストレスは症状を悪化する要因で、気にするのは問題です。禅問答のようですが、「気にするまい」と思うこと自体が「気にしている」ことなので、これがストレスとなってしまいます。心のスイッチを入れられれば、本当に気にしないでいられます。

■中島みゆきファンは研究熱心

 ところで、中島みゆきファンには研究熱心な方が多いという印象をもっています。その名も中島みゆき研究所という、すごいサイトもありますし、研究書も何冊も出版されています。筆者は、「中島みゆき・言葉の向こう側」(落合真司、青弓社)を読んだ記憶があります。
 '70、'80、'90、2000年代にオリコン1位を獲得している偉大なアーチストなので、研究してみたくなるのも当然なのかもしれません。

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