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パーソナライゼーションは今後のWebをどう変えるか?

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Webトレンドの一つの大きな動向として、間違いなくあるものは、Personalization。今までは、多くの人が美味しいというレストランを探し、人々が価値のあるウェブサイトだと思うものが検索結果の順番に反映されてきました。 Personalizationという考え方は、今に始まった事ではないですが、ソーシャルメディアとのシナジーでより一層スピードをましているように見えます。従来このように多数決で決まって来たwebの在り方が少しずつ姿を変えて行っている事は言うまでもないでしょう。

100人が美味しいと言うレストランが自分にとって美味しいとは限らない。みんなが好きな本が自分にとってベストチョイスとは限らない。不特定多数の意見は当てにならん。そう言ってAmazon, eBay, Goolge, Facebook, StumbleUponを始め様々なサービスがPersonalizationに焦点を当てたサービスをどんどんと打ち出しています。 Amazonやebayでは好きであろう商品が勝手に提案され、Googleではユーザーの動向や好みによってユーザー単位で検索結果を変えて表示するという動きが広まり、StumbleUponでは、LikeとDislikeの指標によりユーザーの好みを集計しそれらに合う情報だけをどんどんと表示してくれます。Facebookでは、Instant Personalizationたるものが1月から始まり、提携先のbingやyelp!等のサイトに行った瞬間に、facebookから情報を自動的に抜き取り、レストラン情報や検索結果が自分の好みに合わせて表示されます。ソーシャルメディアも結局は、自分と価値観が近い人と常に情報をシェアし合っているわけで、好みに合わせた情報のみを取得するという意味では既にpersonalizationの類いなわけですね。これらによりユーザーは確かに探している情報に効率的に辿り着く事ができるようになりました。

一方では、Personalizationは視野を狭くするという意見もあります。 実際には、興味の無い分野の本でもパッと本屋で手に取って、読んでみると実は面白かったという体験や、適当にwebサーフィンをしている最中にたまたま辿り着いたサイトがやたら面白かったりという事もあります。Personalizationによって本来は偶然収集できていたかもしれない情報は、効率化のためにそぎ落とされて、 自分が興味あるであろう情報のみが届くようになる。結果、情報が偏ったり視野が極端に狭まるというリスクが危惧されています。いわゆる、Google DNAと呼ばれるもので世界はGoogle好みの思考を持った人達で溢れ変えるんじゃないだろうかなんてさえ言われています。

とは言え、そんな事を言えばきりがない。 パソコンやモバイルのおかげで漢字が書けなくなった人は沢山いるわけで、個人の努力でカバーできる範囲ならまだ効率化の代償と呼ぶに足らないリスクかと思います。ソーシャルメディアの人気ぶりやテクノロジーの進歩も後押しし、世界のWeb業界が進んでいる方向は間違いなくpersonalizationであり、この先もwebの世界を大きく変えて行くものになる事は間違いなさそうです。検索結果が全て完全にそして完璧にpersonalizeされたならSEOなんて不要になり、色々な事が変わって行きそうですね。全てワンクリックで完璧な情報が揃う。そんな世界を見据えてサービスを考える必要があるかと思い、今はそんなプロジェクトに情熱を燃やしています。

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