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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

青学大 原監督のチーム創り2

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原監督の手腕を評価するとき「ワクワク大作戦」「ハッピー大作戦」のような、今まで陸上界ではなかったようなユニークな戦術が注目されがちだ。

しかし、原監督にとって「戦術は最後」だったはずだ。原監督の本当のすごさは、戦術以前に技術、技術以前に体力、体力以前にメンタル。それらの土台としての生活習慣(ライフスタイル)という指導の順序性を確立し、それらを丁寧に選手に説き理解させたうえで指導をしたことだろう。

「選手である前に、社会で通用する人間の育成」「陸上を通しての人材育成」。競技は違ってもそれは自分が目指していたところでもある。

「心を創り、心を鍛える」。それには相当時間がかかる。選手に「時間を守ること」「授業に出ること」「掃除をすること」の意義を理解させ、それをやり切らせる。

私が指導していた野球部では、宿題未提出者は練習禁止。宿題を忘れた選手には、家にとりに行かせたものだった。規律が緩んでいる時は、練習もせず野球部全員(選手も教員も)で校内の全ての教室を掃除したこともあった。保護者から「掃除することにどんな意味があるのか」とクレームの電話が来たこともある。

このような指導で結果が出るのは時間がかかる。原監督は「心を作るのに3~5年。勝てるようになるまで10年かかった。」と言うが、自分の場合も、21世紀枠の候補校になるまで10年かかった。(残念ながらまだ甲子園には届いていない)

時間がかかっても大切なことは理解してもらいたい。

人材育成を目標にしながらの勝利は最高の勝利だと思う。

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