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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

平尾誠二監督に学んで・・・

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自分がチームを任されたタイミングは、いつもチームが低迷していた時だった。

「何をしても勝てないチームをどうするか・・・」 チームの構築、リーダーのあり方、ゲームの作り方、勝敗を左右するもの・・・等、これらについてひたすら多くの本を読み学んだ。野球だけでなく、サッカー、ラグビー、アメフト、バスケット、バレー・・・その中でも何度も読み返したのが平尾監督の本だった。

彼の組織論はどのスポーツにも当てはまるものだった。ラグビーという競技の考え方も面白く「FWは工場(生産)HBは流通BKは営業」や、チームの分析を強み・弱みで分析する「SWOT」など、経営論をスポーツにも援用する視点を持っていた。

この人は勉強しているなぁ・・・と思っていたら、社会人として大学院で学んでいた。

 平尾監督からは多くの事を学んだ。「いつ、どのタイミングで、どのような言葉を相手に発するか・・・」「強いチームはプレーのスピードと判断のスピードが速い」「チームを変革するときは瞬間最大風速的に」など数え切れない。チームや個人に何かを伝えるとき、その言葉は釣り針のようなものでなければならない。と語っていた。

「言葉の力」・・・指導者には欠かせない「言葉の力」

それを身に付けようとたくさんの本を読み、外へ学びにも出た。30代から40代という人生の大事な時に、多くの平尾本を読みチーム組織論・リーダー論を読めたことは幸運だった。それが、その後の自分の思考のベースの一つもなっている。

平尾選手の高校時代のプレーを見たいと思い、数年前に「伏見工業―大工大」のビデオを買ったりもした。優勝した瞬間の、仲間と抱き合う姿には胸が熱くなる。

ご冥福をお祈りする。

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