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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

平均思考の危うさ

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「今回のテストの平均点は50点」 

テストを返却する時、私たちはよく「平均点は・・点」と言います。

それを聞いて生徒は平均を超えたとかいろいろなことを考えるようですが、この「平均」という尺度だけで物事を考えてしまうと本質が見えてこないことがあります。

私は平均点も出しますが、それよりも「自分は集団の中でどの位置にいるのか」をわかるような情報を提供します。「50~55点の間に3人」というように。平均50点といっても、全員が50点というわけではありません。

ある調査によると、日本人の1日の平均読書時間は「17分」だそうですが、この平均値はほとんど実態を表してはいません。日本人全員が毎日17分の読書をしているわけではないのです。読書は「するか」「しないか」(作家で元都知事の猪瀬さんは、人間は「本を読む族と読まない族の2種類」といっていたが納得する)

平均読書時間17分という数字は読書0分の人たちの実態を隠してしまっているのです。国語に関する世論調査では「1か月に1冊も本を読まない人は46%」でした。

平均というのは統計学で使われる尺度の一つ。マラソンランナーが「1キロ平均3分でペース配分する」というのは、尺度として平均がわかりやすい。

私たちの周りには平均が氾濫しています「平均寿命」「平均年収」・・・それは一つの尺度として正しいものです。しかし、平均で物事を捉えようとする「平均思考」では、本質に至らないことがあります。日本人が陥りがちな「平均思考」には危うさも伴います。

そういうことも教室で語っていかなければなりません。

平均にとらわれない 平均にこだわらない 平均であることを目指さない

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