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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

部活動を考える・・・制度的問題

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とは言うものの、やはり部活動の指導は大変です。

独身で、ある程度自由に時間を使えるのならば土日の部活指導も可能ですが、家庭があり、子どもに手がかかったり、また中高年になると親の介護の問題もでてきます。部活指導は一人では無理なのです。高校では顧問は2〜3人の複数体制ですが、それでも十分とは言えません。

教員に対して制度的な保障もありません。

それは部活動が「教育課程」に位置づけられていないからなのです。教育課程とは学校での教育活動全般を指します。その中に部活動は含まれていません。いわば「好きなものが好きで勝手にやってる活動」なのです。

部活動は学校制度の中で、常にグレーゾーンに位置していました。曖昧なものなので、指導する義務はないのです。部活動が成立している条件の一つは顧問の善意です。そこに大きな意義があると思っている教員たちの自己犠牲的な善意がなければ、部活動は立ち行かなくなります。

確かに、私も人材育成を職業として選択しましたが、親が倒れたり、家族の世話などの問題がでてきた今は、土日の時間が大幅に制限される部活動は苦しいものです。善意だけではどうにもならない状況。土日に活動した分、平日に休めるという制度はあるが、それは形だけ。実際には不可能。

もし、生徒が怪我をしたり部活中に事故があれば、その責任を厳しく問われ裁判にもなる。法律的には責任がなくても人道的な責任があります。

部活動を熱心にやればやるほど危険は大きくなる。

なにもやらなければ、何も事故は起きず、責任を問われることもないのです。この強烈な矛盾の中、部活動は曖昧なまま存在しているのです。

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