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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

見学旅行という仕事

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誰もが経験する見学旅行は学生時代の一番の思い出になっているのでしょう。

見学旅行を引率するわたし達にとっては、命がけのイベント。

見学旅行ってどうなってるのかというと

・見学旅行は正規料金で割引なし・・・見学旅行はツアーに比べて割高なのはそのせい。「なんでこんなに高いんですか」って声があります。確かに親にとっては負担が大きい。

・教員の勤務時間・・・朝6時前から夜1~2時。生徒は、朝6時起床が基本なのでその前に動き出します。夜は部屋で騒いで、同宿している一般のお客さんに迷惑がかかることがないように見回りがあります。だいたい寝静まるまで、廊下を行ったり来たり。これで寝不足。たいてい「うるさい」とクレームがきます。

・バスの中・・・ガイドさんの説明を最前列で聞くわけですから、寝るわけにいきません。添乗員は爆睡してます。

・新幹線・飛行機では・・・一般客が私たちを見ると、「見学旅行と一緒か・・・」と不機嫌そうな顔になります。確かに、集団でザワザワしてるだけで、迷惑なのだと思います。でも、考えてみてください。自分も高校生の時はそうだったでしょ。開き直っているのではありません。ある程度、仕方がないのです。どんなに静かに話していても、それが密集した300人になると、音は大きくなってしまいます。こちらも、申し訳ない気持ちでいっぱいなのです。

・昔は、引率の先生たちは夜にお酒を飲んでいましたが、最近ではそれもありません。生徒に事故があった時「酒に酔っていた」では、あまりにも無責任。危機管理ができていない・・・ってことになってしまいます。

・引率旅費は旅行代しかでません。生徒が自主研修に出てる時は、こちらも外食で自腹です。見学旅行では赤字になります。仕事で行ってるのに、こういう状況なのです。

・引率する者にとってはほんとにハードな数日間ですが、楽しそうな生徒たちを見ると「大事なこと」と思えてきます。

今年も無事に見学旅行が終わりました。ご迷惑をお掛けしたみなさま、申し訳ありません。私たちの苦労も少しわかってください。

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