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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

若い先生への手紙〜教師の心

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これは数年前、転勤する際に若い先生たちに書き残した手紙です。この手紙は、いつの間にか読み継がれ、見知らぬ先生から「あの手紙読みました」と言われる事も多く驚かされています。ここで紹介させていただきます。もう、皆さんと過ごす時間がなくなってしまったので、今後の参考になればと思い、私が常日頃思っていることを書いてみました。ご一読下されば幸いです。

教師として大切な事は「生徒のために仕事をしている」「生徒がいるから教師をやっていられる」という意識を忘れない事かと思います。生徒が解らない事に対して「そんなことも解らないの」ではなく、「その解らない事を解るように教える」のが私たちの役目だと常に考えてきました。

自分は、今までサッカー部の顧問をしていましたがサッカーは全くの素人でした。その専門外のサッカーを担当した事が、とても良かったと思っています。「解らない・出来ない生徒の気持ち」がわかったからです。サッカーのコーチングライセンス取得のための5泊6日の講習会に参加したときのことです。リフティングやパスやドリブル、ゲームなど参加者全員が実技を行います。参加している人たちは皆経験者。元Jリーガーもいました。自分だけが上手く出来ませんでした。いつもグランドの隅で、他の人に隠れるようにしていました。辛かった。そのときの気持ちは、勉強ができない生徒・自信のない生徒の気持ちと同じだったと思います。私たちは、得意な事・専門の分野で生徒に接しています。それがために、理解するのに時間がかかったり、困難だったりする生徒の気持ちを分からずにいるのでしょう。

人に物を教えるという行為は、とても畏れ多いことで、謙虚な姿勢が求められます。謙虚に一生懸命に授業をしたいものです。自ら学び、学ぶ姿勢を生徒に示す事から始めるべきなのです。ほんとうに学んだ人は謙虚です。なぜなら、多くの知らない事に気づかされるからです。中と半端な勉強をした人は傲慢になってしまいます。私たちは生徒の「ロールモデル」として、教壇に立ちたいものです。皆さんには、生徒のために一生懸命に学び続ける先生でいてほしいと願っています。私ももっともっと学んで行く覚悟です。それが自分の役目だと思います。今までありがとうございました。                                          

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