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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

« 2011年6月10日

2011年6月12日の投稿

2011年6月15日 »

自分のことを棚に上げての話ですが、本来社会においてどのような状況でどのような服装をするべきなのかということは親なり地域なり、あるいは学校なりが教えることであって、社会に出た時点では基本的な知識は持っておくべきだと思うんですね。

実はその知識の内容が社会的な階層を象徴してしまう所もあるのが洋の東西を問わない歴史的経緯の一つだったりするんですが、それを言ってしまうと非常に難しい問題に入り込むのでココでは触れません。

ただ、間違い無いのは、基本的な部分を知ってるかどうか。もちろんこれは、服装に限った話ではないのですけれど。

 

ドレスコードは場に応じて存在するもので、誰かの好みで決めるものではない

これは一つの考え方です。それが絶対唯一のものだとは思いませんし、そもそも特定のドレスコードしかあり得ない場というのが日本には基本的にありませんから難しいのですが、たとえば個人としての時間と自分だけではない時間があるわけで、少なくともそこでふさわしくない服装が理解できていれば良いと思うんですね。

ただ、日本全体としてコンセンサスが取れるほど「洋服の歴史」は長い訳ではないので、微妙といえば微妙であるのは理解しています。そしてそもそも着るもの自体には流行があるので、常に何かしら変化します。ただいずれにせよ、完全に制服状態の確定した服装が必要とされる場以外で何が正しく、何は間違っているかというところをキチンと知っておくべきだと思うんです。

で、これは服装に興味があるとか無いとか、そういうレベルの話ではないはずなんです。

 

それはともかくドレスコードを緩めようよという話が巷に渦巻いているわけですが

それがいきなり揃いでアロハ姿になる状況は発想の貧困さを象徴するわけで、非常にキモチが暗くなります。もちろん甚平で仕事しろとかは言いませんし、公務員なので規定が無いと困るという事情も理解できるくらいの心の広さは持っています。だから過去にスーツの袖を自分でちょん切った省エネスーツを着た政治家もいたわけですが、それはさておき・・・

ふと、そもそもドレスコードって何を意味するのかってのを学んだことってなかったって言うことに気がついたんです。私の場合にはたまたま一時期トラッド系の服装に非常に強い関心を持った時期があったので、その流れで諸々勉強した経験が生きている所があるとは思っています。ただ、一般的にそんな言葉が何を意味するのかというところを学校なりなんなりで学んだことって記憶にないんです。

ただ、たとえば中学高校はいわゆる詰襟が制服であるという学校に通っていましたので、風紀規則という形で決まっている特定の服装をしていた経験はあります。これは正しく社会に認知された制服であって冠婚葬祭全てにおいて失礼にあたらない正装となる便利な服装だったんです。

しかしながら大学に入ると体育会系のクラブでの活動をやっていなけれれば制服の生活は無いわけで、まぁグダグダになるわけです。当然、特定の格好をしていないといけない=ドレスコードの適用される場所に行くことも殆ど無いという、多分大多数の方と同じような生活をしていた私にとって、就職時点でスーツを着なきゃいけない環境になって「一体どういうスーツが正しいんだ?」と迷うことになったんです。

 

一度規制を外すと元に戻すのは面倒臭いんだから、いっそここでドレスコードなるモノを全部変えてしまえばどうなるんだろう

時間、場所、状況、これらに応じて必要な服装をしておくのはとても大事です。そしてそれが何らかの公的な場である時、そう判断される場所であるとき、たとえばそこで会う他の人も同じような状況であると理解している場合には、その場所が要求する服装をすればよいとおもうんです。

じゃぁビジネススーツであればどこでもOK?

事務系なり営業系なりといった仕事の場であれば、それはある意味正解だとは思います。ただ、それこそ社外の誰とも絶対に合わないという場の人が何を着てても良いじゃないですかとは思います。個人的にですけど。あくまで、個人的に。

だから、変なドレスコードなんか規定せずに社員に任せちゃえばいいのに…

多分これは正解です。でも、前述のように、大抵の物事を決める人は「ドレスコードの持本来の意味とか場が求める服装とはなんちゃらみたいな話を歴史やらなんやらを踏まえつつ語れる人」ではないことが多いはず。要は判っていないんじゃないの?って思うんですよ。

判ってないからカジュアルディやクールビズだぁといわれるとゴルフウェアになっちゃうというか、それ以外に持ってないのは着るチャンスすらないのねという話になるわけで… なんだかなぁであります。

 

維持できないドレスコードなんて無くしちゃえばいいのに、という天下の暴論

因みに、日本にブラックタイと呼ばれる最高位のドレスコードが指定される場ってのは私の知ってる限りひとつだけ。しかも残念なことに私はそこに出掛ける用事が将来にわたって出来るとは思えないんです。もちろん「ブラックタイで出席するように」とのお手紙を頂いたらさっそく礼服のオーダーに走るのですが…

実は日本で正しくブラックタイを指定できるのは、唯一宮中主催の晩餐会だけです。というところが日本の社会の色んな部分を表しているのですが、その功罪やらなんやらを語るほど服飾に絡んだ中世から近代の歴史にそれほど強くない私の場合、言いすぎると色々お叱りを受けそうです。

それでもあえて一言言うと、そもそも決めてる人が氏素性を良く判っていないし、そもそも決めた人の好みが強く反映されていると思われる事が多く、しかもインフラがガタガタになったら維持できないようなドレスコードなんて止めちゃえばいいのにって思うんですよ、ってことだけは言っておきたいなと思います。

いや、どこのどの企業だとかそういう話ではなく、一般論としてですよ。
あくまでも一般論。
あるいは社会論の話?

bibendum_iwa

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プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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