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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

高速で学ぶのか低速で学ぶのか

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おはようございます。

早朝のオフィス、湿度が高く、なかなか冷房が効きません。朝メールで宣言するのを忘れていましたが、先週は一週間お休みをいただき、運転のトレーニングをやってきました。

===ほぼ毎朝エッセー===

先週はお休みをいただき、再びニュルブルクリンクに行ってきました。

ニュルブルクリンクはカーマニアの聖地のようなところです。世界で最も過酷だと言われる1周20kmのサーキットがあります。林道から発展したようなところなので、高低差が300mもあります。それなので、坂の上の前方が見えないようなゾーンがいくつもあります。さらには、エスケープゾーンという退避場所が極めて少ないです。コースアウトをすると待っているのは壁だったりします。そこを時速200kmを超えることもあるスピードで走り抜けるのですから怖いです。

車好きと自負する自分が、サーキット走行が下手くそだと認識したのは2年前です。殆ど未経験なのだから当たり前です。でも車好きを名乗るからには、サーキット走行でも、すんなりとこなしたいという気持ちになりますよね。こんなミーハー心が芽生えてしまったのが運の尽きでした。

その後、恐怖感が先走るサーキット走行に少しずつチャレンジしていきました。自分で勝手に走ってみたりするのですが、コツがまるでわかりません。一方、海外での走行体験にも参加したりして、学んでみたりしていました。結論的には、どうやらサーキット走行には高速で学ぶ方法と低速で学ぶ方法、そのどちらも必要なようなのです。

片方ではサーキット走行用の中古車を用意し、先生につき、低速から学ぶことを始めています。コーナーにおける基本的なライン取りが自分で創れるためです。これはとてもいい勉強になります。ライン取り次第で結構タイムが変わることが認識されるからです。

一方、ニュルブルクリンクのような、スピードに対する恐怖感を克服するということも必要なようです。サーキット走行では、メーカーのプログラムに参加しています。BMWの場合、シャーシやタイヤなどの開発者が先生になり、先導されながら走るので、基本的には安全に走れます。ところが、それもかなりのスピードになるのです。

高スピードに慣れてくると、改めてちゃんとしたラインの重要性に気が付きます。より安定させて、速く走るためには、それが必須だからです。車の性能や最新技術はある程度は助けてくれますが、ラインが出鱈目だったら、それらの勿体ない使い方になります。さらに、コーナーは目の前のものだけではなく、次のコーナーを考えた走り方をすることがとても大切です。

今回、ニュルブルクリンクで周回をだいぶ重ねました。次第に車が安定して走ることができるラインで走ることができるようになってきたのです。スピードを出しても安全に走ることができるようになってきます。するとどうでしょう。すごく楽しくなってきたのです。

未知のことに取り組んで勉強するというのは、他のことへの勉強にもなります。低速でのちゃんとしたライン取りも大切ですが、高速での実践も必要です。会社での低速でのライン取りというのはルールや仕事の手順を学ぶようなことです。そして、高速での実践は、実務に相当すると思います。お客様を相手にした場合は、高速での実践に相当すると思います。

高速での実践において、自分の能力(車の性能)や会社の仕組みによる許容(最新技術)に助けられながら、出鱈目にいなしてしまうこともできるでしょう。でも、やはり、基本原理に戻って、やり方を見直すことはやはり重要なようです。基本原理にしたがうと、楽に速くスムーズに仕事ができるようになるからです。さらに、自分の目の前の仕事(コーナー)だけで見るのだけではなく、次の仕事を意識して、全体として楽に早くスムーズに動けるように仕事のラインを創るのです。

外国語を学ぶのにもありそうですね。文法から学ぶのか、話すことから学ぶのか。様々なことに共通することって多いです。

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