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組織開発・人財開発・IT・ビジネスについて、日々、感じたことをつづります。

『椎野のジグソーパズル理論』で実現する「心理的安全性」と「チームビルディング」

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苦手なことを苦手と言える環境

自分の苦手なことは、がんばらなくていいです。あなたの得意なことに集中してください。あなたの苦手を得意にしている人は、この会社には、きっと沢山いますから

これは、外資系企業に転職した初日に、HR(Human Resources)の担当者から言われた言葉です。私は、企業で働く人が「苦手なことを苦手と言える」環境、つまり、組織として「弱さや不完全さ隠さなくていい、安心できる企業カルチャー」を築くことが、本当に強い組織をつくるために必要なことの1つだと考えています。

HRの担当者の言葉どおり、共に働く同僚達は「椎野さんが得意なことだけをやってください。それ以外のことは、僕(私)が引き受けますから」と伝えてくれ、お互いが本当に得意なことだけに集中して働くことができました。
そして、現在所属している日本企業においても同じことを実現できているので、「外資系企業だからできる」「日本企業だからできない」ということではないと考えています。

『椎野のジグソーパズル理論』

私は「人の得意と苦手を見極め、上手く組み合わせて成果を出せる」ことを「椎野のジグソーパズル理論」と命名し、チームメンバーと一緒に実現することを心がけています。「椎野のジグソーパズル理論」と名付けた理由は、人の得意を凸、人の苦手を凹とした場合、人の得意と苦手を上手く組み合わせることができれば、ジグソーパズルのような成果物(組織)を完成させることができるからです。

ジグソーパズルをメタファー(比喩)として使った理由は、ジグソーパズルは凸だけのピースでは完成させることができないからです。また、凸凹の全くないピースをキレイに並べた場合、一見すると凸凹のピースを組み合わせた場合と同じように見えますが、振動があった場合、凸凹の全くないピースを並べた方は崩れやすく、凸と凹を組み合わせた方は崩れづらいことをイメージしていただくと、凸と凹を上手く組み合わせた方が強いことをイメージできると思ったからです。

苦手なことを苦手と言える環境を創り、ジグソーパズルのように凸と凹を上手く組み合わせることができれば、強い組織を創ることができます。そして、チームや組織をマネジメントする人には、この人の得意と苦手を見極め、上手く組み合わせて成果を出せるスキルが必要だと考えています。
そして、誰しも苦手なことを苦手と言える環境を創るために、マネジメント側が率先して、自分の得意と苦手を公言することが鍵だと考えています。

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相談ゴトにはすぐに対応する

「苦手なことを苦手と言える」環境のベースには、「不安な気持ち」を伝えられる環境、つまり、「心理的安全性」が維持されている環境が必要です。「心理的安全性」が維持された環境を創るために、自分の習慣にしていることがいくつかあるのですが、その1つが「相談ゴトには、すぐに対応する」です。

例えば、「ちょっと、いいですか?」「お手すきの時に時間をいただけますか?」と訊かれた場合、「もちろん!」と笑顔で即答し、相談ゴトにすぐに対応するようにしています。

「何かに困っている」「何かに不安を感じている」状況は、早く解決した方が安心し、集中できるということは、誰しも分かっていると思います。ところが、頭で理解していても、実際に中断されると集中力が切れたり、イライラしたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか

私も実はその1人でした。感情知性(Emotional Intelligence)の専門家として感情マネジメントができるようになるまでは、中断によって集中力が切れたり、イライラしたりしていました。ところが今では、集中力を向上させる方法やストレスマネジメントの方法を知っているので、誰かの中断によって、イライラすることはありません。

そして、「人の得意と苦手を見極め、上手く組み合わせて成果を出せる」チームが作れると、チームメンバー全員が楽しく働くことができます。

最後に、そのことを実感させてくれた宝物にしているメールの1つを紹介します。
ハイパフォーマーのメンバーがさらにパワーアップした年に送ってくれたメールです。

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