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組織開発・人財開発・IT・ビジネスについて、日々、感じたことをつづります。

どうすれば、行動に移せるか?(目的達成のための準備編②)

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①「目的」を明確にする
②「不安」「不満」を言語化し、「安心」「満足」に変える具体的な方法を考える
③ 具体的な方法を実行するためのアクションプランを立てる

先週に引き続き、③のアクションプランを立てる際に、
私が実践していることについてご紹介をしたいと思います。

■ポイント1:『目的』と『問題』と『原因』の関係を整理するでは、『目的』と『問題』と『原因』の関係の誤認識をしないように工夫している方法についてご紹介しました。

問題と目的.PNG

  • 実現したい目的は? :仕事の効率をあげること
  • 目的を妨げる問題は?:仕事の効率が悪い状態にあること
  • 問題の原因は?   :働く環境(PCスペック、作業スペース、通勤時間、人間関係 etc...)、人のスキル

■ポイント2:事実を具体的なデータ(数値)で可視化する

PCの価格だけでスペックを決めてしまうと、PCの低スペックが原因で発生する待機時間、処理の待機時間が原因で発生する残業時間、残業のストレスが原因で発生するヒューマンエラーや業務効率の低下など、結果として、コスト増になってしまっているケースが多くあります。

目標を達成するために必ず行っているのは、発生している『問題』と『原因』と『解決策』について、事実に基づく具体的なデータ(数値)を算出するということです。

(例) メモリ8GBは、概算で12,000円
    1か月で1,000円の投資(1/12か月で計算)
     1日で  50円の投資(実働 20日で計算)

例えば、メモリ増設という解決策を考えた場合、1日約50円、1か月で約1,000円の投資と、発生している残業代を比較します。
求められる業務スキルを満たしている人が、低スペックPCが原因で残業が発生している場合、メモリ増設の費用対効果(cost performance)は十分にあるといえるでしょう。

しかし、ここで、注意が必要です。「仕事の効率が悪い」という問題を引き起こす原因は、PCスペックだけではないという点です。例えば、求められる業務スキルが満たされていない場合は、PCスペックを向上させたとしても、期待する効果が得られないということです。

課題や問題がある場合、何か1つだけが原因というわけではなく、複数の原因が存在する場合が多く見受けられます。『目的』と『問題』を明確にしたら、考えられる原因(仮説)をすべて洗い出します。考えられる原因(仮説)を、どれだけ多く洗い出せるかも大きなポイントになります。

この工程は、システム開発におけるテストケースを考える工程と似ているので、私は、さまざまなテスト技法(例:ディシジョンテーブル、ユースケーステストなど)を利用して整理しています。
そして、考えられる原因(仮説)に対して、事実を具体的なデータ(数値)で可視化し、解決策にかかるコストを算出します。

■ポイント3:解決策の優先順位を決める
原因の数値化と解決策にかかるコストを算出したら、解決策の優先順位を考えます。そして、ここで重要なポイントになるのが、誰の視点で考えた優先順位であるか?という点です。

会社の視点、部門の視点、課やグループの視点、個人の視点と、さまざまな視点で考えたとき、優先順位は同じになるでしょうか?私は、それぞれの視点で、優先順位を考えることが大事だと思っています。
そして、誤解のないようにお伝えしておきたいのは、個人の視点より、会社の視点を優先してくださいということでも、また、その逆でもありませ
また、頭では理解していても、本当の意味で、それぞれの視点で考えることは難しいということも理解しています。それは、「自分に近い問題から対策をしてほしい」と考えるのは、とても自然な感情だからです。

私が実践している方法の1つに、各自に、それぞれの視点で考えた場合の優先順位をつけてもらい、それを共有するというやり方があります。記名にすると忖度(ソンタク)が発生しやすいので、無記名でデータを収集します。

この方法により、以下のような効果があります。
  • 自分と異なる視点で考える習慣が身につく
  • 自分と異なる優先順位を知ることで、他の人の思考や背景を理解できる
  • 最適な方法を一緒に考えることで、目的意識を共有できる
解決策の優先順が決まったら、後は、行動に移していく最後のフェーズになります。
こちらは、次回、ご紹介したいと思います。
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