「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

はた迷惑な「片手間保険代理店」のおやじ

»

少々はた迷惑なことが自分のまわりにあり、それと同じようなことが繰り返され、さらにそれがあちこちであると「これはここだけの話しではないな」と感じ、少々俯瞰してみると共通点が見えて来たりします。

---------------------------------------------------------------------------

町の自動車修理工場や中古車販売店などは、ほとんどが損害保険の代理店です。
(もちろん新車を販売しているディーラーもそうですが)

車検と自賠責保険はセットになっていますし、自動車を買うときに自動車保険に加入することがほとんどなので、当然といえば当然で、そうでないと消費者の利便性が損なわれてしまうケースがほとんどだと思います。

しかし、その自動車関連の損害保険代理店さんに「医療保険を売ってくれないと困ります」と損害保険会社の社員さんたちが営業活動をしていました。(今でもないとは言えないようです)

「自動車保険の特約にがん保険をつけませんか」というセールストークが冗談でなくなりそうな世界です。
(実際に自動車保険の特約にがん保険などありませんが、否、本当に昔はあったのか???)

損害保険会社は、車検(自賠責)や自動車保険加入のお客様に対して、がん保険など売れるでしょ、売ってくれ、売ってくれないと困る・・・と迫って来るのです。

これは自動車関連の損害保険代理店さんも、売り込まれるお客様も困ってしまいます。
そして損保の社員さんも、がん保険や医療保険が苦手な代理店さんのフォローに時間と手間が取られて、無駄に忙しくなってしまっていたのです。

まぁ、このあたりは近年の損害保険会社の合併などを機にかなり解消されているようですが。

 

生命保険の業界に目を向けますと、損害保険業界と違い少々複雑で分かりづらいけど困った状況があります。

大手国内生保で30年勤務して、最後は営業部長という肩書きを持ち、その後自分で代理店を立ち上げたり、中堅どころの代理店に天下り(?)で入社しているケースです。

一番すごいのは、保険会社を自ら立ち上げた方ですが、その他保険専門の人材派遣や転職をあっせんする会社や、乗合代理店、保険ショップ運営する会社を立ち上げたらり、役員になったりするセカンドキャリアを満喫されて大手国内生保OBの方々が少なからずいらっしゃいます。

すべての方々がそうだとは申しませんが、明かに「護送船団方式」でバブルまでの日本経済の恩恵を受けてきたことによる勘違いや傲慢さが、傾向としてですが大手国内生保のOBの皆様にはあると感じます。

もちろん、日本の高度経済成長を支えた実績は事実であり、そのときの成功体験や、そのときからの人脈や経験は立派なものがあるとは思います。

その「立派な部分」だけ上手く使って、若くて能力がある人間に実務を任せられればいいのですが、変にしゃしゃり出て大昔の成功体験を朝礼でご披露されたりするのは如何なものかと存じます。

また、「30年これでメシを食ってきたんだから簡単だ」とシャレにならない勘違いをして保険代理店を立ち上げて、「これからは複数あつかわんとな」と一応世の中の流れを見て乗合代理店にした大手生保OBの方は心配です。

自ら保険会社を立ち上げた立派な方も共通なのですが、大手国内生保のOBの方々は保険商品のことを知りません。
知ろうとしない、もしくは知っても意味がないと思っているかのようです。

それでも立派な人脈はありますので、しばしば太めのお客様が引っかかってきます。
すると、乗合代理店にしてしまった大手国内生保のOB経営者は「知り合いの社長が保険を考えているんで何かないか」と憎からず思っている代理店担当者である保険会社の社員に丸投げします。

代理店担当社員は喜んで見込み客のところへOB経営者と同行訪問しヒヤリングをして、提案書をつくり・・・と本来代理店がすべきことを嬉々として行ってしまいます。

そして晴れて、その契約が決まるとOB経営者は「おめでとうございます、流石の人脈ですね」と賞賛されて、相応の販売手数料が振り込まれるわけです。

もし、その成約となったお客様の社長さんからなんらかの要望(解約、減額、追加、借り入れ・・など)があった場合もそのOB経営者は実務的なことはほとんど分からないので、当然のごとく担当社員を呼びつけてヒヤリングをさせて書類を準備させて・・・と本来代理店がやるべきことを嬉々として行ってしまいます。

つまり、お客様を掴まえること意外の保険代理店としての機能は全くなく、担当社員とすれば手間のかかる非優良代理店であり、きちんと通常業務を行っているところと比べるとはた迷惑な存在となります。(数字が挙がっていれば我慢しますが)

また、せっかく復数社あつかう乗合代理店であっても、提案時点で保険会社に丸投げだと、比較検討の機会は著しく限られてしまいます。

状況としては、大手国内生保のOB経営者は各社の保険設計書を打つこともなく、当然商品の比較や分析など下々の者がすることで、なんでワシがやらねばならんのか、そんな面倒なことは保険会社の社員がやればええ・・というのが現実です。

こんな状況ですから、合併などで保険会社の名前が変わっても気にしない(気づかない)のか、名刺や看板、HPなどで放置されていることが多いです。

これでは町の不動産屋さんが、未だに「日動火災代理店」という看板を堂々と出しているのと変わりありません。
※日動火災は10年ほど前に東京海上火災と合併して現在は「東京海上日動」の略名となっています。

同業者の立場で言えば、提携して販売する機会があるかもしれないので、このようなOB代理店さんとのお付き合いはあるのですが、「この道30年」の意識からか、この業界のことは知らないことはない、と思いこんでいらっしゃり、現在の当たり前の代理店同士のルールなど全くご存じなく、正直かなり面倒くさいです。

まとめると・・・

・お客様:ヒヤリング提案など保険会社の社員に丸投げなので乗合代理店のメリットである「比較検討」ができない
・保険会社:通常なまともな代理店より手間暇がかかる(数字が挙がっていればいいが)
・同業者:あまりに代理店間のルールなど知らず面倒くさい

タイトルは「片手間保険代理店」としましたが、くだんの大手国内生保のOB経営者の方は「本業として立派にやっておる」と思っているかもしれません。

しかし、実態は自動車関係の損保代理店の経営者ががん保険を売るのと変わりありません。

しかし、大手国内生保のOB経営者の方は半端に偉い、というか業界の大先輩でありますので、きちんと箴言する者はかなり限られています。

消費者の皆様が直接的な被害を蒙ることは少ないと思いますが(機械損失はあり得ますが)、大手国内生保のOB経営者の方の周りは、本来やらなくてもいい余計な仕事が発生しているのは事実です。

まぁ、その人脈や権威などに群がる方も群がる方ですが、最低限のことはやっていただかないと「はた迷惑なおやじ」になってしまいますね。

どの業界にもよくあるお話しかもしれません。

 

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する