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「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

続・生命保険のポジショントークあれこれ

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前回「あれこれ」と言っているにもかかわらず、ひとつの事例だけで終わってしまいました。
「その1」とか「①」などもつけず、一話完結の体でしたが続編を書きます。

と言いつつ、元ねたは同じ<10年更新>ものです。
医療(入院やがん)保険で10年更新を推進するポジショントークです。

「今は保険料が安くて保障も充実している10年更新を選ぶのが得策です。なぜかと言えば、10年以内に保険も医療技術も進化しますから、そのときに最新のものに切り替えられるようにしておくためです」

前回のと基本的に同じポジションからの医療保険用のトークであり「一理ありかな」とも思えます。

同じ保障内容の医療保険に同じ条件(年齢や性別など)で加入する場合、10年更新の保険料と終身型の保険料を比べると大幅に10年更新の方が安くなります。
つまり、10年以内に切り替えることが確定であれば、その期間の保険料負担は10年更新の方が軽くなるわけです。
(ただし平均寿命あたりまで継続した場合は終身型の方が保険料負担はトータルで軽くなります)

一見筋は通っていますし、住宅ローンを組む際の考え方としてはいいかもしれません。
金利が高めで長期固定で元本がなかなか減らないフラット35よりも、史上最低の金利になっている変動型でで元本を減らしつつ、状況によって切り替えることを考えるのと似ています。

「インフレが来て住宅ローンの金利が何倍にもなって家計が破綻するのを回避するためには、長期固定を選ぶのが安全です」と、なぜかSBI寄りのポジショントークをしつづけるFP(ファイナンシャル・プランナー)の先生方が数多くいらっしゃいますが、住宅ローンの返済額はいきなり何倍にもなりませんし(上限1.25倍)、多少返済金利が上がったとしても元本が減っていれば返済額にそれほど大きな影響を与えません。

少々脱線しました。

ここで住宅ローンを引き合いに出したのは、両者の比較をお話ししたいがためです。


長期固定でない<生命保険の更新型>と<住宅ローンの変動金利型>を比べた場合、<更新型>の保険料は間違いなく年齢が上がることにより確実にアップしますが、<変動金利型>は上がることもあるし、ほとんど変わらないこともあり下がることもあります。

もうひとつは健康状態に関することです。
当たり前ですが、住宅ローンの金利の見直しに健康状態をチェックされることはありません。
(借り換えで新たに団体信用生命保険に加入する場合は告知が必要ですが)
生命保険の場合は、これも当たり前ですが、切り替える場合には必ず健康状態の告知が必須です。

もしそれまでに発病していた場合は、新たな保険の切り替えが不可となるか条件がついてしまうことになります。
そうなってしまったら、現在加入している10年更新を継続するしかなく、最終的に終身型より保険料負担が大きくなった上に、80歳か90歳で保障がなくなってしまいます。

更新型を選んで「常に最新型の保障を一番安く得たい」という考えを100%否定するわけではありませんが、<10年更新販売促進>のポジショントークとしては、保険料が上がることは話しても、健康状態のことまでは話しません。

健康状態によっては最新の医療保険に加入できず、終身型より重い負担をしなければならなくなる・・と説明した上で「それでもとりあえず安い10年更新でいいです」とお客様が言うのならば、それでいいでしょう。

しかしながら、上記説明をして10年更新を選択されたお客様を、少なくとも私は見たことがありません。
以前のように更新型と終身型の保険料の差が2倍以上になるのであれば可能性がありますが、現状は2~3割違うだけなので、更新型の割安であるメリットは薄れています。

また、アフラックにおいて「EVER」から「新EVER」にリニューアルした際に、「新EVER」とともに発売した特約のほとんどが旧「EVER」に付加できるようになっていました。

アフラック以外の保険会社の対応はまだまだのようですが、新しい特約を既契約に付加できる流れはあるようです。

<ポジショントーク>とは自己に有利な点を最大限アピールし、都合の悪いことは隠蔽する、またはすり替えることだと理解していますが、生命保険業界においては他業界よりもはびこっていると思います。

一般の方にとって生命保険は未知の部分が多いと思われますので、「<ポジショントーク>=一般論」となってしまうケースが多いので注意が必要です。

他にもいろいろ書いています。
ご興味があればお立ち寄り下さい。

保険選びネット
http://www.hoken-erabi.net/seihoshohin/goods/7578.htm
<具体的な商品の比較など月一で書いています(ほぼ月末更新)>
今回は、密かなブームとなっている「貯蓄型の収入保障」の考察です。

ヤフー知恵袋
http://my.chiebukuro.yahoo.co.jp/my/shigotonin38
<知恵ノートはほぼ月二で随時更新、生保関連の質問にも答えています>
ご指名の質問大歓迎です。

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