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「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

「3年ごとに15万円もらえる女性のための入院保険っていいわね!?」~オンナ30歳の選択~

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「3年ごとに15万円もらえる女性のための入院保険」の宣伝をネット上で最近よく見かけます。
損保ジャパンひまわり生命の女性専用の医療(入院)保険「フェミニーヌ」という名の商品ですが、数年前から通信販売専用で売り出されているものです。
女性をコアターゲットとした通販雑誌に大々的に宣伝されていたりします。

保険業界の一部では「女性は掛け捨てが嫌い」という神話が囁かれているようで、それに対応した商品として「3年ごとに15万円もらえる」という付加価値があります。
女性のための入院保障として内容も充実しております。

ここで少々引っかかるのは、この商品が通販専門というところです。
皆様も経験があると思いますが、通販において「これいいな」と思ったら普段冷静なあなたでも、比較的安易に受話器をとってしまったり、クリックしてしまったり、申込書を投函したりしていませんか?
普段牛乳パックの値段を1円単位でチェックして買い物をしているしっかりモノの奥様でも、通販だととたんに脇が甘くなってしまうのはなぜでしょう。

と言うわけで、通販の「甘い罠(?)」にかかってしまった30歳の女性トモコさんと、この商品を知らないのか、ただ単にストイックなのか分かりませんが、面白味のないアフラックの「新レディスEVER」(3年ごとに15万円などもらえずただ単純に保障だけちゃんとあるだけ)を選択した30歳の女性ナオミさんの人生を検証してみたいと思います。(大げさな!)

保険会社 損保ジャパンひまわり アフラック
商品名 フェミニーヌ 新レディースEVER
月保険料 8,555 8,306
ボーナス 3年ごと15万(合計75万) なし
入院日額 1万(一入院180日) 1万(一入院120日)※
女性疾病入院 1万5千(一入院180日) 1万5千(一入院60日)
手術 10万~40万 5万~40万
形成手術 なし 10万(保険適用外)
骨髄移植 20万 なし
退院 10万 なし
先進医療 1000万限度 一時金10万
一回50万(700万限度)
放射線治療 なし 10万
死亡保障 500万 100万
保障期間 15年 終身
支払期間 15年 60歳まで
※長期入院特約付加

黄色が有利と思われる方です。
月の保険料をほぼ同じにして比較をしてみました。

「フェミニーヌ」は15年更新ですので、このケースでは30歳から45歳の先ずは15年間で比較です。
まず「新レディースEVER」にはボーナスはありませんので、この期間の収支を考えた場合、「フェミニーヌ」が断然有利です。

また保障内容としても、「フェミニーヌ」VS「新レディースEVER」で見ると、一入院の日数が180日VS120日、退院給付10万円VSなし、死亡保障500万円VS100万円とどう転んでも「フェミニーヌ」に加入しているトモコさんが有利な感じです。

実際にこの30歳から45歳の15年間の間にトモコさんは180日までの入院日額が支給されますが、ナオミさんは120日までです。
万一トモコさんが期間中に亡くなった場合は500万円の保険金がでますが、ナオミさんの場合は100万円しか出ません。

トモコさんは15年間通算75万円ももらえた上に充実した保障がありますが、ナオミさんは1円ももらえない上に保障内容もトモコさんの方が貧弱に見えます。

同じような境遇のふたりですが、通販の「甘い罠」にかかってしまったように見える「フェミニーヌ」を選択したトモコさんが勝ち組(古くて陳腐な表現ですね)なのか、ストイックなナオミさんは間違えてしまったのか・・・。
なぜ・・なぜ、こんなにふたりに差がついてしまったのでしょうか?

ふたりの運命は如何に・・・以下次号です。
 

前回、前々回の「生保のトリセツ」をお読みの方はもうお気づきだと思います。
キーワードはボーナスではなく「更新型」であることを。
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