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いわさきちひろが暮らした街、石神井・上井草「ちひろ美術館・東京」

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先週、少し遅い夏休みを3日間ほどいただきました。あまり遠出はせずに、いくつか近場の美術館などに行きました。その中のひとつ、「ちひろ美術館・東京」は私の家の最寄り駅から3つほど離れた駅にあります。

いわさきちひろ、皆様はご存知でしょうか? その名前は知らなくても、彼女の書いた絵を見たことのある方は多いのではないでしょうか。

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あと、有名なのは黒柳徹子さんの「窓際のトットちゃん」の表紙の絵です。東京と安曇野にあるふたつのちひろ美術館は、黒柳徹子さんが館長をしていらっしゃいます。

「いわさきちひろ×佐藤卓=展」

先週は、「いわさきちひろ×佐藤卓=展」を開催していました。佐藤卓さんは、「明治おいしい牛乳」「ロッテ キシリトールガム」などの商品デザインをされたグラフィックデザイナーで、ちひろ美術館のシンボルマークのデザインもしています。

佐藤卓さんが選んだちひろの絵と、ちひろの絵に佐藤卓さんがが関わって生まれた作品「いわさきちひろ×佐藤卓=箱」「いわさきちひろ×佐藤卓=バナー」が展示されていました。

一歩ずつたゆみなく進んで行く

私は家が近いこともあり、企画展の変わるタイミングで年に2、3回美術館を訪れます。ちひろの絵を眺めることは、自分の仕事に対する向き合い方を見つめ直す機会になるからです。

ちひろの絵には少女趣味だ、かわいらしすぎるなどの批判もあったそうですが、私は彼女のアトリエ(レプリカ)前のパネルに書かれている、以下の言葉が好きです。

「自分のやりかけた仕事を一歩ずつたゆみなく進んでいくのが、不思議なことだけれどこの世の生き甲斐なのです」

「戦火のなかの子どもたち」

そして、私が一番好きな彼女の作品は「戦火のなかの子どもたち」です。原発性肝癌になり死期を悟った彼女が、ベトナム戦争に苦しむ子どもたちを思って描いた作品です。いつもは表情豊かな子どもたちを色鮮やかに描く彼女ですが、この作品のなかの子どもたちはモノクロで暗い表情をしています。

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結局、「戦火のなかの子どもたち」は彼女が最後に完成させた絵本になりました。ベトナム戦争は終わりましたが、「世界中のこどもみんなに 平和と しあわせを」と絵本に込めた彼女の願いは、まだ叶えられてはいませんね。

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