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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

経費性支出情報ははずせない

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先日来、Web2.0状況におけるコマースを考える際に自腹でもって経験した情報が非常に重要であるということを述べています。(ここここ

けれども経費を使うことによって蓄積された経験に真実はないのか。ないとは言えないと思います。
海外出張は海外の主要な都市のレストランに関する経験を蓄積していくよい機会です。朝と昼は成り行きで食べるにしても、夜ぐらいは目星を付けておいた店を予約して、自分の五感で確かめるということをよくやると思います。そうした経験によっていい店そうでない店の違いがわかる基準ができあがり、日本での飲食においてもより客観的な評価ができるようになります。
そもそも何かを評価する際には、相当な量の経験が不可欠ですが、その一端を海外出張時のレストラン経験が担ってくれるというのは、まぎれもない事実です。それ以外にも、膨大な回数の日本国内で行われる仕事上の飲食や出張があります。こうしたものによって培われた経験とそれを基にした情報を、非自腹情報であるからという理由で除外すべきか?

おそらく、ネットに上げられている飲食店とホテルに関するレビューのうち、非常に質の高い上澄みのような部分の3~4割は、直接的な経費性支出に基づく情報なのではないかと思います。たとえその時は自腹であったとしても、経費性支出を重ねることで価値基準が作られ、それがベースになって成立している情報というのを含めると、6~7割になるんではないか。そのような豊穣な情報源を排除してかかる必要はありません。

そうすると、何と何を区別すべきなのか?

結局、「そこに消費者としての経験があるかないか」で区別するのが妥当だと思います。
だとすれば、日経トレンディなんかに載っている顧客視点で制作されたホテルランキングなんかはどうなるのか。オーディオ誌に載っているベストバイ記事はどうなるのか。クルマ雑誌に載っているインプレッション記事は?
わかりません(笑)。それを読むことになる消費者の1人ひとりがケースバイケースで判断せざるを得ないでしょう。言えるのは、インターネットにあふれている消費者経験情報で目が肥えた個人は、そこにあるアンフェアネスをかなりの確度で見抜くことができるようになっているのではないかということです。広告出稿企業のことを慮った評価、取材協力店舗にやや擦り寄った評価、レコード会社との関係維持を気にしたCDレビューといったものが、たぶんすぐにわかってしまうのではないか。さらには、消費者が普通の消費行為では行わないような評価項目を立てて過酷に評価しているものについては、リアリティを感じなくなっているということもある思います。

すると、そうした評価を読むよりはネットで検索して出てきた名前も知らない、けれども過去の投稿暦から相当に信頼できそうな個人の評価を再三再四熟読することになります。それによって購入を決める人も多いでしょう。

するってーと、まもなく刊行される「ミシュランガイド東京」はどうなるのか?(うそうそ、掲載店には非常に行きたいという気持ちが高まっております)

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