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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

消費者と一緒にイノベーション

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先日ちらと触れたConsumer-Focused Innovation ですが、どうもForresterのChristine Spivey Overby氏が新規に考案した概念ではないらしく、ネタ本はこれだろうというのが出てきました。

「コア・コアコンピタンス経営」(日本経済新聞)の共著者であり、最近では「ネクスト・マーケット」(英治出版)が話題になっているC.K. Prahaladによる「価値共創の未来へ―顧客と企業のCo‐Creation」で原型が、その後の「The Future of Competition: Co-Creating Unique Value With Customers」でより発展した形が述べられているらしいです。2冊とも取り寄せはしましたが未読。
C.K. Prahaladについてはほとんど知識がなかったのですが、2005年のビジネス思想家ベスト50の第三位にランクされている人なんですね。以前、堀内さんが触れていたランキングです。

商品開発や品質の改善や新規市場の開拓にお客さんを巻き込んでしまう手法は、マーケティングの世界では珍しくもなんともありません。ですが、現在のConsumer-Focused Innovationは、MOT的な枠組みでInnovationをマネジメントするということの延長線に消費者を組み入れようとするわけで、ワタシ作る企業-アナタ消費する人という素朴な二分法アプローチとは一線を画しています。
組織をConsumer-Focused Innovationに適合する形に組み替えるという多少大掛かりな措置も想定しており、CEOの強力な支援が必要になります。組織改革案件ですね。

というのが現時点における粗っぽい理解。

ブログで集まるCollective Intelligenceと企業のR&Dとをうまくつなぎ合わせるとおもしろかろうと思うのは、私だけではないでしょう。

追記。ただし、そこにおける消費者の関わり方は、従来のR&D担当や商品開発担当の役割の一部なりを肩代わりするというものではないんでしょうね。そこから出てくる商品やサービスも、一風変わった位置づけのものであるはず。

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