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ヴィジュアル、サウンド、テキスト、コードの間を彷徨いながら、感じたこと考えたことを綴ります。

撮影のプロって。

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過ぎてしまった話題について。

技術解説本や記事を書いていると、画面キャプチャが必要になります。
今の私にとっては、Windows Phoneの画面の絵です。

Windows Phoneアプリをマーケットプレイスに申請する場合は、Visual Studio からWindows Phone Emulator を使って、エミュレーターのキャプチャ機能を使います。
が、マーケットプレイス申請用ではない、記事の説明のためだけに必要な絵というのがあります。

たとえば、次のような絵です(来週掲載予定の記事の中の1枚です)。

Is12t

これは、ネットワーク接続を前提とするアプリにおいて、ユーザーが(何らかの事情で、一時的にせよ)実機側をオフに設定しまっている場合のプログラミングを説明するための図です。
実機(au IS12T)の設定画面なので、エミュレーターのキャプチャ機能では撮れません。ハードコピーでも撮れません。

そこで、PhotoshopとExpression Designで作っています。(相方の場合は、Facebookの友だちから教えてもらった書画カメラを使っています)
絵を作っていると、プロのカメラマンなら事もなくきれいに撮影するだろうな、と思ったりします。

大昔の話ですが、私はデザイン事務所に勤務していたとき(MS-DOSの時代)、5~6年の間、CAD/CAM/DBベンダーを担当していました。
製品カタログ、新聞や雑誌の広告、操作マニュアル、セミナーテキスト、展示会用のパネル、製品パッケージ、販促物、VTR、などの制作では、少なからず、現物の絵が必要になります。

被写体が、ファインダーに収まり、動かず、映り込みのないものであれば、デザイナーでも、構図を決めるスキルはあるので、そこそこのものを撮れなくはありません。

が、ファインダーに収まらないもの、すばやく動いているもの、特に、被写体自体が光りを発しているものは、プロでなければきれいに撮ることは不可能だと思います。
たとえば、当時の、湾曲したディスプレイやラップトップPCに映っている作図画面、何メートルもあるプラズマ切断機、その火花、これはプロでなければ撮れませんでした。(それ以前に、仮に高い撮影技術を持つアマチュアがいたとしても、クライアント側が、危険が全くないわけではない工場内撮影を信頼して任せるかどうかという問題もありますが...)

当時、写真を含む印刷物の制作には、ディレクター兼コピーライター(私)、デザイナー、カメラマン、フィニッシュワーカー、外注の写植屋さんという、チームであたっていました。ディレクターは「ユーザーに情報を伝える方法」を考え、デザイナーは「その方法の表現」を考え、カメラマンは「表現を形にする方法」を考える、という役割分担です。

私の経験は、重厚長大な一分野の話ですし、スチール時代の話で、デジカメが一般的になっている現在の作業方法はどうなのか、印刷媒体の仕事を離れて久しい私には分かりません。

が、プロのカメラマンとは、(ソロではなく、チーム作業のケースでは)デザイナーがイメージしている結果をありありと同じようにイメージでき、それを具現化する方法を経験上知っているか、あるいは経験がなくても、スケジュールに支障の出ない範囲で試行錯誤したり調べて実現する方法を見つけられる人、というところは、今も、変わらないのではないかと思います。

それって、「プロの○○○とは、□□□がイメージしている結果をありありと同じようにイメージでき、それを具現化する方法を経験上知っているか、あるいは経験がなくても、スケジュールに支障の出ない範囲で試行錯誤したり調べて実現する方法を見つけられる人」って置き換えて、○○のところに、ITエンジニア、とか、デザイナーとか、ライターとか入れて、□□□にクライアントとか読者とか入れても、同じなのかもしれません。

もっとも、職種をひとくくりにしても、専門が細分化しているので、それが少し違えば、できないこと、分からないことは多々あって当然なわけで、全般的に、そーゆー感じじゃね?という、ぼやぼやしたことでしかありませんが。

...と、キャプチャを撮っているときに、なんとなく、そう、思ったのでした。

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