ヴィジュアル、サウンド、テキスト、コードの間を彷徨いながら、感じたこと考えたことを綴ります。
もし、本書のリーダー「しんこちゃん」の率いるプロジェクトに参加したなら、私は張りきって働くだろう。
忙しすぎて目を回しているなら、タルトを差し入れるかもしれない(......って、タルトって余計に目が回るような)。
私から見れば、しんこちゃんは、一世代年下である。
だが、「しんこちゃん」がリーダーのプロジェクトなら参加すると面白いかも、と思ってしまう。
年齢は関係ない。
尊敬できる少年少女もいれば、目を覆いたくなるような年配者もいる。
IT業界は歴史が浅く、従事する人も総じて若い。
これからは、10代前半の学生をリーダーとするプロジェクトも増えるだろう。
もっとも、その場合、ベテランがマネジャーを務めてサポートする必要はあるだろうが(リーダーとマネジャーの違いも、本書に書かれている)。
そういった近未来の若いリーダー候補に、一読をおすすめしたい。
フォントや色遣い、イラストとテキストのバランスに工夫が凝らされており、手にとりやすいと思う。
トップ経営者のリーダー書、―――我々年配者が若かったころの(私のまわりには、松下幸之助氏と稲盛和夫氏の著作物を読んでいる人が多かった)―――には感銘を受ける。だが、その教えは、はるか遠いところにある。現在進行形の開発プロジェクトにそのまま生かすには、抽象的である。
その点、本書の新米リーダー「しんこちゃん」は、読者と同じ等身大のIT業界人である。彼女は、「モノや労働に対価が伴わなくなってきつつある」時代を、プロジェクト・チームのリーダーとして生き抜いていかなければならない。
したがって、誰もが「そういう問題、あるある」と頷いてしまう問題に遭遇する。問題が具体的なら、解決策も具体的である。
身近で、リアル、なのだ。
もちろん、リーダー候補だけではなく、プロジェクトチームのメンバーとなる者もまた、一読する価値があるだろう。
努力すれば誰でもリーダーシップを身につけられるわけではない(すくなくとも、私には、「しんこちゃん」が、リーダーになる資質を持ち合わせているように見える)。また、誰もがリーダーになる必要もない。
が、自分がリーダーになるのではなくとも、リーダーの立場や悩みを知ることができるであろうから。
これからの我が国は、低年齢の潜在力を持つ人に伸びしろを自ら設定する自由と機会を与え、何割かの人に家庭環境に影響されない教育を与え、何割かの人には心身の健康を損なわず生きられる生活の保障を与える、という方向に、進まざるをえなくなるのかもしれない。
互いに、息を殺して、もたれ合い、ギシギシと音をたてながらも、かろうじて崩れはしない状態。その軋む音は、もたれ合う我々の耳に届いているが、我々は認識することを恐れる。
組織には、リーダーが必要である。
プロジェクト・チームには、たとえば、「しんこちゃん」のようなリーダーが。
かくいう私は自営ですが、これは家族に病人がいて定時間勤務ができないからであって、経営者を目指したからではなく、リーダー向きではありません。サラリーマン時代は、デザイナーというよりアート・ディレクターの立場でしたが、開業後の開発案件では、リーダーのいるチームにアドバイザーとして参加し、実作業も手掛けてきました。
しんこちゃんがリーダーなら歓迎です。
私は昨年末からオルタナティブ・ブログに書き始めましたが、その時点で、ばんちょ~様が執筆されていることを知り、Amazonで即購入して読んでいました。これまで感想を書いておらず、ごめんなさい。ばんちょ~様ゆるして~、ひらに~ひらに~。
Special
- PR -| ばんちょ~ | 2011/08/20 17:16 |
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薬師寺さん、書評をありがとうございます。 >ばんちょ~様ゆるして~、ひらに~ひらに~。 ああ!こんなこと書いたら、晴美ちゃんのモデルがわたしだってバレてしまう! | |
| 小俣 | 2011/08/20 21:45 |
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書評ありがとうございます。 | |
| 薬師寺聖 | 2011/08/21 04:58 |
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ばんちょ~さま、どうもです。フォントは、各タイトルの、品位を下げずにフチドリ文字を使っているのが技アリですよね。......が、おっさん、って(想像している...なんかミルフィーユとか好きそう)。いや、晴美さんって、ロングヘアだけでしょう、似ているのは。 小俣さん、リーダー論としてもですが、モノづくりの現場も伝わる本だと思いました。デザインでもシステムでも、チームでひとつのものを作りあげる作業は楽しいですね。 | |
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