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IT業界につとめる「雑貨屋(なんでも屋)」が、業界の事、情報セキュリティの事、趣味や日々雑感を綴っていきます。お暇な方はおつきあい下さい。

089.「俺!正社員になる!」というCMで思った事

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 佐藤@IT雑貨屋です。
 もう三月も半ばになりまして、来月から新入社員が入ってくる季節になりました。

 先日のこと、職場が入っているビルの!Fフロアに、女子はリクルートスーツに身を包み、男子は張りのあるスートを着た集団がたむろしていました。これはおそらく就職活動のオリエンテーリングできた学生たちかとおもいましたが、その脇を、仕事につかれてよぼよぼと歩く我々熟年男性社員たちが歩く姿に、何か社会の縮図を感じてしまいました。

 最近、テレビのCMで、バイトルネクストでしょうか、雨の中、イケメン男性が「俺!正社員になる!」なんてセリフで啖呵きるものがありますが、あのCMはどうも滑稽に感じてしまうのは、果たして僕だけなんでしょうか。

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 私の場合は、19歳で小さなソフトハウスの正社員になり、そこからある時には知人に声を掛けられ、またある時には学生時代の先輩から声を掛けられ、いくつかの会社を渡り歩いてきていました。いままで渡り歩いた会社は8社。そしてそのうち派遣会社は4社という経歴で、なおかつ今いる仕事場には、通年で派遣社員として15年程度務めています。

 入社のころには正規に求人募集に応募して正社員でいましたが、この年に至るまで普通のサラリーマン生活を送ってきておらず、知人からは「マグロの様なやつ」と揶揄されたように、常に口をパクパクして仕事を探してくらいついてきた思いしかありませので、このCMで「俺!正社員になる!」なんて気合を入れたものを見た時に「おいおい、正社員になる!ではなく、仕事をとれる人間になる!というのが先ではないのか?」と一人突っ込みをしてしまい、脇にいた娘からは「何言ってんの?パパはそれ以前にイケメンじゃないよね?」と言われてしまいました。

 おいおいわが娘よ、俺が言いたいのはそんなことではない。

 そう言いたいのですが、いかんせん家庭内ではまったく発言権の無い父親なので、致し方ないという処でしょうか?

 果たして「正社員」になることは、それほど気合を入れて語るものなんでしょうか?

 小さいところを渡り歩いて半生を生きてきた私にとって、そこは解せない感覚です。一部上場の大企業であればいざ知らず、中小企業では正社員になったとしても、会社が倒産してしまう事は、この時代では何も珍しいことではありません。大企業の正社員となっていても、経営難になったらリストラの憂き目にあう事も珍しくないばかりか、大企業一筋で正社員で生きてきてしまったが故の悲劇を、いくつか僕は間近で見てきた経験もあります。

 大企業でリストラ対象になるのは、大抵、四十代後半あたりで、仕事のやりかたも大企業の中でやっていた事しか知らないので、仕事の部分観しか持ち合わせておらず、結果として「仕事を自分でやる」という事が出来ない人が多くいたりします。簡単に言えば、自分で仕事をする事で、社会の中からお金を持ち帰るという事が苦手な人、その基本的な流れを理解できない人が、結構いるんですね。

 そんな人が大企業を放り出された場合、それこそ年収二百万に満たない工員や現場作業員、また警備関係の契約社員となり、ちょうど家族も子供でお金がかかるにも関わらず、思う通りの年収を稼げないという悲劇に見舞われてしまいます。

 そんなことより、仕事をしたい業界の知識を蓄え、いかに自分の中に仕事の「付加価値をつける」という事に注力すべきであって、正社員になればそういう事が解決するという事でもないのですけどね。

 あとこの正社員の対極に語られるのは、派遣社員や契約社員という立場です。
 なんでも私の地元で耳にした話ですが、いまの若い女性の結婚条件の一つに「正社員であること」があるそうです。派遣社員や契約社員となると、生活が安定していないことから、お付き合いすら敬遠されたり、もし本人がOKという場合でも、その両親から派遣社員や契約社員であるという理由で、お付き合いすら許されないケースも最近ではあると聞きました。

 本来、派遣社員というのは自分のスキルを売りにして、自分の力で仕事を取り、生きていく仕事の在り方であったはずが、今から十数年まえに「派遣村」というものが社会の中で話題となり、期間派遣社員の悲劇なども取り上げられたことから、どうも社会の底辺の仕事にもみられているようです。
 確かに派遣社員という形態の中には、そういった悲劇的な話で言われるような事もありますが、私自身も現在、派遣社員として仕事をしていますが、IT業界の多くは今は派遣社員という就業形態が多くあります。

 問題なのは就業形態としての派遣社員ではなく、その仕事をする本人の仕事のスキルであり、継続性ではないかと思うのですが、どうなんでしょうか?
 先にも話をしたように、今の時代、正社員であっても一生の安定を保障されるものではありませんし、大事なのは一人ひとりの仕事への向き合いかたと、本当の意味での仕事の実力と実績ではないかと思うのです。

 「俺!正社員になる!」
 イケメンがこんなCMを流す世の中は、何か仕事に対する認識が大きくずれてやしないかと、私なんかは感じてなりません。

 ここまで読んで頂きありがとうございます。
 これからもIT雑貨屋をよろしくお願いします。

Comment(3)

コメント

菜緒

その通りだと思います!

「俺!正社員になる!」私が就職した頃、パート、派遣、等と言う言葉すらなかった。働く方の我儘が働いて貰う側にうまく利用されたと思う。差別の源。

山畑健康

ここで言う正社員は「真人間」とでも解釈しておけばよろしいかと。
ヤクザな仕事や、その日暮らしと比べるものです。

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