IT業界につとめる「雑貨屋(なんでも屋)」が、業界の事、情報セキュリティの事、趣味や日々雑感を綴っていきます。お暇な方はおつきあい下さい。

085.派遣の収入について雑感

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ようやく寒さも緩み、春になる予感が感じ始められる様になった気がしますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

佐藤@IT雑貨屋です。

以前にあった労働者派遣法改正により、無期雇用、いわゆる契約期間の定めが無い場合には、一つの事業所への派遣期間の上限はありませんが、有期雇用であれば三年の上限がつく様になりました。

この法改正で多くの派遣会社が、派遣社員を無期雇用に切り替えを行いまして、私も派遣会社を変わり、そこで無期雇用となりました。

これだけを聞くと雇用が安定して良かったと言う話にも聞こえますが、実際には契約社員時代にくらべ、かなり収入が減少してしまい、痺れる思いをしています。

非正規雇用とか派遣社員といえば、世の中では「低賃金」「雇用が不安定」と言われてましたが、私の場合には「特定人材派遣」であったので、単価も派遣社員としては高めであり、現場で仕事をしっかりすれば、そこその長期に渡る雇用でもありました。

しかし派遣法改正で特定人材派遣というものがなくなり、全てが一般人材派遣になったわけです。そして無期雇用への切り替えが、私の思惑とは別に必要となってしまったのです。

派遣先から頂いている単価は、法改正前と何ら変わってませんが、無期雇用、つまり正規雇用に近い形で雇用するというのは、派遣会社でもリスクがあり、かつ会社の利益や福利厚生等を考えると、この収入が減少するのも、ある意味で致し方ない事です。

ただ働き方の一つで、会社との雇用関係の多様性が奪われた事には変わりなく、果たしてこの派遣法改正が良いことであったのか、そこには私個人として疑問を持っています。

さて、今日のお題について。
派遣の収入という事について、少し私の思うところを書かせてもらいます。

私のいる会社もそうですが、労働者派遣は、時給単価で派遣先と契約します。
つまり派遣会社にとっては、派遣社員が何時間派遣先で仕事をしたかに依って、得られるわけですね。

私の単価は、今から十年近く前に、当時営業も兼ねていた私が今の派遣先と交渉して、決めたものです。まあざっくりと計算して、時間単価を月単価に直すと、私がこのIT業界に入った頃の、プログラマーの月単価程の金額になります。

この単価が現在では、派遣社員の中では比較的高単価という事になっています。
私の今いる会社では、技術者派遣の平均的な時間単価が、3000円後半から4000円程度だと聞いています。
例えば4000円/時間の単価を、一日8時間勤務で、月20日勤務として計算すると、月単価としては64万円となりますが、こう聞くと結構高いと感じますよね。

しかしここから派遣会社の利益や事務員等の人件費、また福利厚生等を差っ引くと、実際の派遣社員に手渡せる収入は、およそ30万程になります。そして税金や社会保険など、もろもろ考えると、実際に手取りとしての給料は、20万円代という処ではないでしょうか。

月に手取りが20万円台。
一人暮らしであれば、まあまあ生活が出来る金額ですが、結婚して世帯を持ち、子供を養うという場合には、かなりタイトな収入になりませんか?

そこで課題となるのが、派遣社員の昇給という事です。恐らく多くの派遣会社は「CHARGEアップ」と言い、この時間単価を少しでも上げようと努力をしている事と思います。

しかし考えてみれば、派遣先が派遣社員に取り組ませる仕事、これは技術職もですが、派遣社員を受け入れる企業では「コスト・カット(経費節減)」の為に、派遣社員を受け入れる訳ですから、自ずとそこには上限というのが出てきます。

だから派遣社員の時給単価は、いわゆる「上げ止まり」が存在すると、理解した方が良いでしょう。

よく派遣会社の経営層の中には「私達はフリーランスの誇りを持って仕事に取り組み、スキルアップを常に考えて、高収入を目指すべきである!」と、アジテーションを上げている処もあるようですが、これはどうなのでしょうか。

実は派遣会社の社員であれば、逆に高いスキルが邪魔になる場合もあるのです。

先程も書きましたが、派遣社員を雇用するのは、やはりコストカットという理由があります。コストカットに適した職種はある程度決まっていて、そこに派遣社員を雇うというのですから、そこに高い単価の派遣社員は求められません。だからエンジニアと言っても、高単価の要員はどちらかというと敬遠されてしまう事があります。

私の知り合いでも、オラクルの資格を持ってますが、その資格をスキルシートに書くと、単価の折り合いが合わず、仕事を得られないと敢えて書かない人もいました。

私も無期雇用の切り替え時に、幾つかの派遣会社と面接しましたが、やはり仕事内容とともに、特に単価の折り合いが合わずにお断りされた会社が多くありました。

確かに高単価の仕事の要員を求めている企業もあります。しかし派遣会社の営業が、そういう仕事が取れる企業やその部署に、営業をかけられるかと言えば、そこは難しい状況もある様です。

私の知る限りにおいて、多くの派遣会社の営業は、どちらかというと、IT業界で言えば製造工程や品質試験工程の作業員としての仕事は多数抱えていますが、その上の工程、いわゆる企画系や設計関係の領域の仕事は手が届いていない様でした。

しかしこれは当たり前の事で、どこの企業に於いても、自社の中心となるプロダクトやサービス、ソリューションについては、自社の社員が取り組む業務であって、そこに外部から、しかも期間雇用の臨時社員を入れる事は、あまり考えられないと思います。

以上、そんな事から派遣社員の収入とは、やはり本人が努力をしても、限界があると言わざるを得ないのではないでしょうか?

今の時代、私が若い頃とは異なり、IT業界も技術者派遣というものが主流となって居ます。その様な中で、IT業界で生活を立てていくには、エンジニア本人も、単なるキャリア構築だけではなく、プラスαの部分を自ら考えていかないと、難しい時代になっているのではありませんか?

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

IT雑貨屋を、これからも宜しくお願いします。

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