IT業界につとめる「雑貨屋(なんでも屋)」が、業界の事、情報セキュリティの事、趣味や日々雑感を綴っていきます。お暇な方はおつきあい下さい。

078.【業界の話】「裁量労働制は最低賃金でも適用可」について

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佐藤@IT雑貨屋です。

私は以前に知人から「マグロの様な奴だ」と言われた事があります。
これは変な意味ではなく、マグロという魚は常に海の中を口をパクパクさせながら泳いでいなければならず、泳ぎを止めた時は死ぬときだと聞いた事があります。
19歳でこのIT業界にプログラマとして職を得てから、この30年以上、常に何か口をパクパクとさせながら、私自身、仕事に取り組んでいた気がします。

「何か面白い事はないか、何か自分にできる事はないか」

その感覚は未だにあって、昨年転職して正社員になってからも、日々何かを考えていたりします。

そんな中で本日、ネットのニュースで以下の記事を読みました。

政府答弁「裁量労働制は最低賃金でも適用可」、働きすぎで最低賃金割れしても合法?
(弁護士ドットコム)

ここで言う裁量労働制とは如何なるものなのか、以前にニュースで見た事があるのですが、再度おさらいしてみると以下の様なものでした。

裁量労働制は労働基準法の定めるみなし労働時間制のひとつとして位置づけられており、この制度が適用された場合、労働者は実際の労働時間とは関係なく、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなされる。業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務に適用できるとされる。適用業務の範囲は厚生労働省が定めた業務に限定されており、「専門業務型」と「企画業務型」とがある。導入に際しては、労使双方の合意(専門業務型では労使協定の締結、企画業務型では労使委員会の決議)と事業場所轄の労働基準監督署長へ[2]の届け出とが必要である。(参照先:Wikipedia―裁量労働制)

つまり通常の仕事というのは、基本的に労働時間は労使の間で雇用契約上、決まっていて、それ以上労働した場合には残業として手当(残業費)が支給されます。この場合、仕事の内容によっては労働者は残業した賃金を給与として得る事が出来ます。

しかし裁量労働制とは労使間であらかじめ定めた時間働いたものとみなし、時間配分等は労働者の裁量に任される制度で、要は残業をしようと極端に言えば早退しようと給料の変動もなくなる制度という事の様です。

これは一見するといい制度の様に見えます。
私も過去に会社との間で年奉制で契約して仕事をしていた事がありました。この時には出勤時間や退勤時間も自分の裁量に委ねられ、会社との間では仕事毎に納期を守れれば良いという条件を取り交わしていました。
実際にこの会社で仕事をしていた時には、出勤時間はコアタイムの間は必ず居ればよく、それ以外は自分の裁量で仕事に取り組んでいました。

しかし仕事が詰まってきたときなどは、会社に泊まり込みもありましたし、場合によっては休日も呼び出され客先で仕事をしていた事もあり、実際の月残業時間は80時間を余裕で突破するような状況でしたが、会社との間で取り交わした年棒の内でしたので、残業費を貰う事はありませんでした。

でもこの当時、会社の立ち上げ期であり、そのメンバーの一人でもありましたので、特に不満などもなく日々一生懸命仕事に取り組んでいたという思い出があります。

しかし今回、閣議で「契約社員や最低賃金で働く労働者にも適用が可能だ」という答弁書が決定したと言います。
正直、これは危険な兆候ではないでしょうか。

正社員の場合、大企業であれば労働組合も整備され、労働者の立場は守られる仕組みもありますが、契約社員の場合には常に契約更新という事がついてまわります。会社からの評価というのも大抵は「契約更新」の有無で示されるという状況の中で、会社から有る意味で「働く側にとって不利益な内容」で裁量労働制を求められた場合、それを拒否する事が果たしてできるのでしょうか?

しかも「最低賃金で働く労働者にも適用が可能だ」となった場合、定収入で加重な労働を求められる可能性も出てくるわけです。

ちなみに以下の様なニュース記事もありました。

裁量労働制で月給25万円以上はわずか1割! 低賃金でも「残業代ゼロ」
(Yahoo!ニュース 1/30記事)

この記事では『年収1075万円の労働者を対象として残業代の支払いをしなくなるという「高度プロフェッショナル制度」ばかりがメディアにも取り上げられがちだが』と書かれていますが、この記事は1/30の記事です。今回は2/6の記事の内容では高収入だけという事では無くなるという事が、閣議で政府の答弁書として決定した様です。

一体、これからの日本社会はどうなってしまうのでしょうか?

思い返してみれば、労働派遣法の改正によって「特定人材派遣」がなくなって、派遣は全てが「一般派遣」となりました。また派遣社員は正規雇用社員であれば無期派遣も可能ですが、非正規雇用の有期社員であれば派遣期間に上限がついてしまいました。

結果として単価の下がっているIT業界の中でも、何とか契約社員として高めの収入を得ていたエンジニアの中には、年収で100万単位で下がっても致し方無しという事で正規雇用に切り替えている人も多くいる様です。「正規雇用」と言えば聞こえは良いのですが、今の時代の正規雇用は、私達の親の世代の様に黙っていても会社が仕事を与えてくれて、給料は常に右肩上がりという訳には行きません。

仕事で働いて生活するという、普通の事も徐々にやりづらくなる社会になってきてやしませんか?
皆さんはどの様にかんがえますか。

ここまで読んで頂きありがとうございます。
これからもIT雑貨屋をよろしくお願い致します。

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