IT業界につとめる「雑貨屋(なんでも屋)」が、業界の事、情報セキュリティの事、趣味や日々雑感を綴っていきます。お暇な方はおつきあい下さい。

058.【業界の話】労働者派遣法改正によって考えた事

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佐藤@IT雑貨屋です。

前の記事「057.【自分の事】過去につきあった機器について」で「労働者派遣法改正」により、私にも少なからず影響が出たという事を書きましたが、今回はそれによって個人的に考えた事を記事として少し書かせて頂きます。

私は現在、ある会社で「パートナー社員」という立場で勤務しています。
まあ簡単に言えば「特定人材派遣」として、ある会社の契約社員となって、今の職場に派遣され業務を行っています。

元々はベンチャー企業の管理職で今の職場に派遣となっていましたが、様々な事を考えて契約社員という立場を選択し、今に至っています。

簡単に言えば「収入の確保」という事が大きな目的です。

このあたりの事については「040.【雑感】エンジニアのキャリアアップについて」という記事にも書きましたが、今のIT業界でエンジニアの主な業務形態は「技術者派遣」であり、その際のエンジニアの単価は昔(とは言っても二十年程前)と比較してみたとき低廉化していて、正社員という事で仕事をした場合には収入の確保という事には厳しい現実があります。

enginier01.jpgまあ年齢的に三十代ならばいざ知らず、この年齢で家族を持ち、子供の育児の費用の事を考慮すると、それなりに収入の確保をする必要があります。しかしエンジニアの派遣の仕事で一般的な「プログラマ」「システムエンジニア」「プロジェクトリーダー」では、単価的に合致する仕事というのは中々あるものではありません。

いま私が担当している業務は、エンジニア関係とは言っても「企画系」の業務で、「製造関係」よりも少し単価が上がります。そして契約社員という事で自分でリスクを取る事を前提で収入を確保しています。

しかしこれが正社員となると、売り上げから「会社の利益(コスト関係を含む)」「社員としての福利厚生」が引かれますから、給与としてはかなり減額されたものになります。

またIT関係の技術要員の派遣が求められる業種の多くがプログラム製造や試験行程などの「製造関係」のものが大半を占めていますので、単価自体もそれほど高単価なものがありません。また一次請けならば良いのですが、大半は二次請け、三次請けという立ち位置にいますので単価も下がります。

だからこの業界で年齢の上がったエンジニアでは、単価の下がる中、個人の収入を確保するためあえてリスクを取る形である「契約社員」という雇用形態を受け入れて仕事をしている人が結構多くいるのです。

しかし昨年(2015年)九月に施行された労働者派遣法改正により、こういった流れは大きな変化が求められる事になりました。

簡単に言えば派遣先で長期に業務をしたいのであれば、派遣元で正社員とならない限り、それは出来ないという事になったのです。つまり仕事を長くやるのであれば「正社員(正規雇用社員)」になれ!とまあ、そんな事になったのです。

私もこの法律改正の絡みで今年の三月から派遣元のグループ会社内の移動ですが転籍となり、会社を移る事になりました。そして転籍先の営業と話をする中で、当然、「正社員(正規社員雇用)」という話も出てきました。

しかしその時に言われた事が「給与は今の収入からかなり下がる事になります。何故なら正社員となった場合には、会社側でもリスクを取らなければなりませんから」という事です。

まあ一般常識的な事で考えれば、この意見には何ら異論をはさむ事はないのですが、それと共に言われたのが「いま佐藤さんが取り組んでいる仕事と同等の単価の仕事は、うちの会社では無いので正社員となっても将来的にも定期的な昇給というのは難しいと思います」という言葉でした。

まあこういう事は想定はしていました。
つまるところ正社員になった場合、単価的に合致する業種の仕事が無いと言う事で、結果としては収入減は避けられないという事なのです。

私自身、過去に営業も経験していますのでこのあたりの事は理解していますが、その話を聞いた時、それでも「正社員雇用」を目指すべきなのか、それとも個人で生きていく事を選択すべき時なのか。思案六歩という処です。

収入減を覚悟して正社員となるのか、それともフリーハンドで収入を得られる独自の道を選ぶのか。

最近の報道でも「正社員こそ求める姿であり、非正規社員では低単価でこき使われ、生涯賃金も低ければ福利厚生も手厚くない」という事が云われ、さも正社員雇用こそが本来あるべき姿であるかの様な事が云われています。
まあ大半の非正規雇用の派遣社員の現実というのは、確かにに厳しく、僕の周囲を見ても派遣社員で何とか爪の上に灯を燃やすような状態で生活している人もいます。それに比べて正社員は確かに守られているのかもしれません。

しかし一方で正社員であっても、会社の安定性が確保されているのは、日本国内の企業の中でもごく一部の大企業でしかなく、中小企業や零細企業では、そもそも会社の存続自体が大変です。また持ち合わせたスキルが会社とミスマッチがあれば、当然の事、リストラという事があります。

だから「正社員」となっても、そこに安閑とあぐらをかく事は出来ないのが現実です。
正社員となっていても、リストラされたり会社が飛んでしまえば元もこうもありません。

今回の労働者派遣法改正により、職業の選択の中から、従来の様な「特定人材派遣」で収入を確保して、少しでも長期に仕事を個人で受けようとする事には、一定のハードルが課されたように思えます。

このハードルとは1つの勤務で仕事が出来るのは三年が上限ということ。

これからのITエンジニアの中では茨の道を歩く人が増加するのではないでしょうか。
そんな事を考えてしまいました。

ではこれからどの様に仕事と向き合えば良いのか。
それについて、私の考えは次回に書いてみたいと思います。

ここまで読んでいただいたありがとうございます。
IT雑貨屋をこれからもよろしくお願い致します。

【IT雑貨屋―ホームページ】
http://www.itzakkaya.com/

Comment(1)

コメント

会社が個人を守るというのは神話。
そこまで信頼関係を保つには、経営者にそのような意識が必要。
意識があっても収益がなければ、守れないのが現実。
SHARPのような状態になれば
雇用なんて守られないのは明らか。
社員になれというのなら、自分(仲間とがいいのが)で
会社を持って、そこの社員として働けばいい。

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