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055.【業界の話】労働者派遣法改正について②

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こんにちは。
佐藤@IT雑貨屋です。

私は法律の専門家でも無いですし、この法案を読み解くのにどれだけ時間がかかるのか、少し不安なところもありますが、まずはこの法律の本文に入っていきたいと思います。

(ここから)

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案

要綱
第一労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の一部改正(第一条による改正関係)

一、特定労働者派遣事業の廃止
一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の区別を廃止し、労働者派遣事業を全て許可制とすること。

(第二条、第二章第二節関係)

(ここまで)

この条文ですが、以下のサイトから取得しました。

厚生労働省 労働者派遣法の見直しについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386.html

まずここで「特定労働者派遣事業の廃止」とあります。

前の記事にも私自身、特定人材派遣であると書きましたが、労働者派遣には二種類存在するんですね。これは以下の様な違いがあります。

1)特定労働者派遣事業(16条派遣)
派遣元に常時雇用される労働者(自社の正社員等の正規雇用社員)を他社に派遣する形態。届出制(労働者派遣法16条)。

一般労働者派遣の業者に比べると、派遣先として対応する企業・職種の幅は狭いが、特定の事業所に対し技術者(主にコンピュータ・IT・エレクトロニクス・機械系の設計関連)などを派遣するような業者(主にアウトソーシング業者と呼ばれる)が多い。

2)一般労働者派遣事業
派遣元に常時雇用されない労働者(自社の契約社員等の非正規雇用社員)を他社に派遣する形態。許可制。臨時・日雇い派遣もこれに該当する。なお、一般労働者派遣事業の許可を得れば、前項の特定労働者派遣事業も可能である。

一般的に「派遣会社」といえば、この形態の事業者が広く知られている。

(WIKIPEDIA-労働派遣事業 参照)

ここを読んで「あれ?」と思う事があります。特定人材派遣では「派遣元に常時雇用される労働者(自社の正社員等の正規雇用社員)」とあります。ちなみに私は派遣元とは「契約社員」として雇用されていますが、この差は何なのでしょう。

ここでいう「常時雇用される労働者」を調べたところ、以下の定義となっています。

・期間の定め無く雇用している
・雇用期間に定めは有るが、過去1年以上雇用しており、今後も雇用が見込まれる
・雇用期間に定めは有るが、1年以上の雇用が見込まれる場合

つまりこれは「一年以上の雇用が見込まれる」という事で派遣元企業が判断していれば良いという、簡単に言えばかなりグレーゾーンの中の事だったんですね。

今回の法律改正では、一般労働者派遣と特定人材派遣という二種類あった人材派遣事業の区別をなくし、労働者派遣事業を「許可制」にする事が決まりました。

今までは特定人材派遣は「届け出制」であったんですね。つまりある一定の様式を役所に届け出て、講習などを受けていれば「特定人材派遣業」を行う事が可能であったという事です。
しかし今回、一般労働派遣事業と特定人材派遣事業という区別を無くし、許可制になるという事はどうなるのでしょう。

まずは「許可制」の内容について確認をしてみたいと思います。

法律案要綱には以下の様に定められています。

二、労働者派遣事業の許可の基準
労働者派遣事業の許可の基準として、申請者が当該事業の派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものであることを追加するものとすること。(第七条第一項関係)

ここで「許可の基準」という事で少し確認をしてみたいと思います。

この内容について、以下に比較表としてまとめてみました。

派遣法比較.jpg

この比較を見て、まず気になったのが「事業資金」についてです。
現在、特定人材派遣事業を行っている企業で、特にIT企業、一般的に言われる「ソフト会社」と言いながら実態としては社員などを特定人材派遣により業務を行わせている会社の中で「事業資金が1500万×事業所数」持つ会社はどれだけあるのでしょうか。もちろん、これから改正法の施行にあたっては、具体的な内容でさまざま出てくると思いますし、基準内容についてもより具体化する中で、この表にまとめた内容も若干の変更があるかもしれません。

しかしこの「事業資金」という処が、まず最初のネックになると私は思いました。

私は「IT 土方」という言葉を、以前にこのブログで利用した事があります。
派遣で仕事をしているITエンジニアの中には、非常に厳しい、シビアな状況の中で仕事をしている人もいます。それこそ一つの業務が終了し、次の業務が見つかるまでの間「無給」で待機を余儀なくされるエンジニア。また次の業務のための打合せの交通費も、実際には「自腹」で捻出しなければならないエンジニア。さらに業務を行うに際して、多重構造で派遣に入っている事から、単価が実際に中抜きされてしまい、低賃金で業務をしているエンジニア。

現在、特定人材派遣で業務をしているエンジニアの中には、こういったシビアな状況の中でも仕事をしなければならない人もいます。

今回、「許可制」になる事でこういったエンジニアを「酷使」する企業は淘汰されていく事になるかもしれませんが、一方でこういった企業が無いと仕事にありつけないエンジニアもいるのは事実です。

果たして今回の「許可制」にするという事に併せて、国としては何らかのセーフティネットは考えているのでしょうか?

企業も淘汰されるかもしれませんが、エンジニアの側も淘汰される可能性があると思うのですが、このあたりはどうなんででしょうね。

今回がここまでとして、次回以降に続けたいと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
IT雑貨屋をこれからもよろしくお願いします。

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