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農薬散布49回!?のミニトマトの残留農薬を1吹きで落とせる?プチ炎上で知名度アップのベジシャワーの行方

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アフィリエイターによる根拠にかける恐怖煽りツイートでプチ炎上する事件が発生しました。元になったのはこのツイートです。

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多方面からのツッコミの後、当該ツイートは削除されて、こういった説明がされています。

騙すつもりはなかったとして、どこまでが本気でそう思っていて、なのにどこがだめと思って削除したのかの説明はほとんどありません。ただ、不快させて申し訳ないというお詫びのみです。

ここでの注目点は3つあります。

  1. 数字が入った見出しやツイートは根拠がありそうで注目を集めやすい
  2. 数が多いと、農薬が多そうだが、長期間に分けて使っているということで実は1回の使用量は少なく、収穫時にはもう消えていそうだと論理的には考えられる
  3. 残留農薬を1吹きで消せるという、「薬品」ベジシャワーは農薬より危険ではないのか?

1. 数字が入った見出しやツイートは根拠がありそうで注目を集めやすい

もうありきたりすぎて、空気のような法則ですが、それでもなお、威力があることをこのプチ炎上で実感させられました。ちなみに49回の根拠は上げられていませんが、ネットで検索すると、「トマトは収穫まで49回(3日に1回)農薬を使います!」というブログが見つかりました。トマトとプチトマトは使う農薬や生育期間も違う別の野菜と思ったほうがいいそうですが、ツイート主は混同して紹介した模様です。

2. 数が多いと、農薬が多そうだが、長期間に分けて使っているということで実は1回の使用量は少なく、収穫時にはもう消えていそうだと論理的には考えられる

ただ、情報源を見ると3日に1回と言われたらそんなもんかもという気もしますし、収穫前から逆算して直前は農薬散布しないものと知っていたら、残留農薬って大したことなくなっていそうだともわかりそうでしょう。また、49回も散布できる程度の濃度ということで1回あたりでは薄い薬剤だということもわかります。

自分自身、生きてて何回薬を飲むかとか考えると、飲んだ回数が多かったら薬漬けで不健康なのか?それが食われるときに肉に残るのか?と考えるとそういうもんでもないことに思い至るでしょう。

結局、食品として世に出る段階での残留農薬が問題で、一ヶ月前に虫の消毒で散布した農薬がどれほど残っているのか?残ってないからまた虫がつくのでまた撒いているという状況を考えるべきでしょう。

3. 残留農薬を1吹きで消せるという、「薬品」ベジシャワーは農薬より危険ではないのか?

アフィリエイトブログの記事によると、ベジシャワーはpH 12の水とあります。一般的な用語でいうと強 アルカリ性電解水ということになります。業務用厨房機器のトップメーカー、ホシザキのサイトによると、

※アルカリ性電解水を洗浄水として使用する場合は、流量を「標準」または「少」モードでご使用ください。pH11.3以上でないと洗浄力が十分に得られない可能性があります。

つまり、ベジシャワーが pH12 なら洗浄水として効果がでそうなぐらい強力な洗浄効果があるということがわかります。

そこで、残留農薬も怖いし水成分なら安心という論法で売られているようですが、強アルカリ性電解水が食品に残留してそのまま食べて大丈夫化?という別の心配をなぜしないのかという別の疑問が湧きます。そもそも表面に付着したものを洗い流すだけなら、「薬品」であるベジシャワーのスプレーより、流水で洗うほうが効果的でないか?という疑問も生じます。

ともあれ、このプチ炎上で知名度が上がって世間の目にさらされるであろうベジシャワーの今後の行方に注目です。

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