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3分間の自己投資「プライベートDMPの活用法」

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ここ数年、プライベートDMPについての情報を収集している企業が急速に増えているいるようです。花王やカネボウが2014年に「プライベートDMP」を導入したという発表などがきっかけとなっているのではないでしょうか。情報収集により「プライベートDMP」がどのようなものかというぼんやりとしたイメージを描けている企業もあれば、市場で話題となっているものは規模が大きすぎて何処から手をつけていいのか困っている企業も多いと思います。

また「DMP」と「CRM」の役割の違いなども混乱を引き起こしている原因のひとつだと考えています。そこで今回は「プライベートDMP」構築の目的や活用方法に関する3つの疑問をそれぞれ一分程度で解説していきます。

1.プライベートDMP設計にはどんなデータが必要なの?

一般的に言われている「DMP(オープンDMPと言われることもある)」は主に広告配信、特にデジタル系、に利用する為に設計されるものです、その一方で「プライベートDMP」は企業が取得できるオンライン・データ(サイトのアクセス履歴、コンバージョン、メール開封など)やオフライン・データ(顧客の購買履歴、店舗の販売実績、POSデータなど) を一元化して自社のマーケティング活動を有利に進めるために設計するものです。

2.プライベート DMP 構築後のアウトプットは?

一般的にはデジタル・マーケティング(Webサイトやメール通知やアプリケーション通知のパーソナライゼーション)に活用することが多いです。いわゆるユーザーを知ることにより可能となる One to One マーケティングなどです。またDM、広告、商品開発などにもプライベートDMPで分析したセグメンテーションを活用する事ができます。

3.CRM とプライベートDMPは相反するもの?

CRMは顧客に関連するデータを集約して管理するシステム。プライベートDMPの目的はあくまでもマーケティングに活用するためのデータを集約して一元管理するためのシステム。その意味では別システムとも言えますが、当然プライベートDMPで使う顧客情報をCRMから引っ張ってくる必要もあるため、連携もしくは統合されていることが好ましいでしょう。

駆け足で「プライベートDMP」の疑問点を解説してきましたが、一番重要なことは「何を作るか」ではなく「何の為に作るか」という事です。企業が今後やって行きたいと考えているマーケティング活動の「目標や目的」に合うかどうかを重要な選定基準とすべきであり、それが世間で言われているプライベートDMPシステムの定義にあうかどうかはあまり関係がないと思います。

要するにマーケティング活動を支えるための一元化したデータベースをまずは作りましょう、そしてそのデータベースのデータをアウトプットとして活用できるツールは何なのか?ということに焦点を当てないと、規模だけがどんどん大きくなり無駄に時間とお金を使ってしまうというパターンに陥ってしまいます。

目的に応じて今回はこの製品のキャンペーンでこんなことを達成したい。それをサポートできるシステムをスモールスタートで始めるということを検討されてはいかがでしょうか。ただし、その場合にはシステムの拡張性もきちんと見極め、使いまわし(Reuse)ができることで最初の投資が無駄にならないことの確認も忘れずに行ってください。

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