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色は日常に当たり前のように存在しています。そして、意識するしないにかかわらず、私たちは色の影響を受けているのです。カラーマーケティングといっても、色の使われ方は多様で、パッケージや商品の色だけに限らず、販売促進、そして企業や人のイメージ戦略、また、商業施設や病院、美容院など様々な環境での色彩計画、そしてセラピーなど、様々な分野に及びます。ここでは様々な角度から事例を紹介し、色を付加価値として取り入れていく方法をお話ししたいと思います。

桜の色と言えばピンク!?~記憶色が語る意外な真実~

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皆様こんにちは♪
カラーコンサルタントRosa代表山田美帆です。

いよいよ東京では桜が満開になりました。
桜と言えば『ピンクの花』のイメージです。でも実際に見てみると...確かにピンクには違いないのですが、思ったよりも白っぽく感じませんか?

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実は桜の花は、咲いてから散るまで同じ色なのではなく、つぼみや咲き始めの時はピンクですが数日で白っぽくなるそうです。だから満開の状態をちょっと離れて見れば、白かピンクかわからなくなるかもしれません。ピンクっぽいか白っぽいかは、その年の気候や土壌、地域によっても違うそうです。また若い桜のほうがやっぱりピンク色をしているとか!?

年を重ねるにつれて白くなる人間の髪と同じですね(笑)もちろん、種類によっては、山桜のように濃いピンクの桜もありますが...
特に代表的なソメイヨシノにはその傾向が強く見られます。

でも、TVや写真で見る桜と言えば、鮮やかできれいなピンク色をしているイメージがありますよね。これは、加工処理がなされていることが多いようです。

実はこれ『記憶色』と言うもので、人間の脳では実際の色よりも、その特徴が強調されて、より鮮やかに記憶されているそうです。
特に桜はピンクのイメージが強いから、色を再現する時は濃くしないと桜にならないんですね。

『記憶色』と言えば・・・

私たちが人間(特に日本人)の顔を描く時、肌を何色で塗りますか?最近では『差別になる』と言って、『肌色』の絵の具を加えていないメーカーもありますが、その色があるなしにかかわらず、たいていは実際の肌よりも、白く塗ってしまうそうです。確かに子供が書いたお母さんの絵はかなりの色白なことが多いですね。

これはTVでも同じです。タレントさんが色白に見えるのも、実際よりも白く映してるからなのです。そうしないと視聴者が観て、きれいな肌色に感じないそうです。まあ中には、『マイライト』を持参して、おもいっきり顔をとばしてる人もいますが(笑)

これらすべては、実際の色よりも、多くの人がイメージとして記憶している色が優先されています。
そして私たちは、『記憶色』で再現された映像などを見て、それが当り前の色だと思っているのです。

最近ではデジカメやビデオカメラでもこの機能はついていて、撮影した直後にカメラが勝手に修正してくれるそうです。だから写真で見ると、『色が白い』とか『肌がきれい』などと思ってる方、もしかしてそれは勘違いかもしれませんよ(笑)

これらは人間の記憶がいかにあてにならないかと言うことですが...『好ましい』と思うあまりに記憶というフィルターをかけたとしても、やっぱり桜はピンクであって欲しいですよね。

冬の厳しさから抜け出してぱっと明るさと華やかさを与える色、それがピンクだからです。だからこそ、実際以上の鮮やかさが必要なのでしょう。

ところで、桜は昼と夜ではまったく雰囲気が変わりますよね。

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暗い闇に浮かぶピンクの花びらは、見る人の想像力をかき立てて神秘と幻想を表します。

 

P.S.写真は上が4月2日、下が4月6日(満開宣言が出された日)に撮影した調布市野川の桜です。

 

 

 


 

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